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  • 相続税の課税対象となる家庭用財産の評価

    相続税の課税対象となる家庭用財産の評価

    相続税の課税対象となる家庭用財産の評価

    家庭用財産とは

    不動産や現金はもちろん家庭用財産など相続開始の時点で金銭的価値のあるものは、全て相続税の課税対象となる財産として申告しなければなりません。

    家庭にある一般動産、例えば家具、自動車、電話加入権、貴金属や骨董品といったものが挙げられます。

    家庭用財産の評価単位

    一単位の価額が5万円以下のものは一世帯ごとに一括して評価することができます。家財をまとめて「家財一式」として5万円や10万円といったように全体の評価額を申告します。

    一単位の価額が 5万円を超える家庭用財産については、下記の評価方法により財産1つごとに評価します。

    一単位の価額が 5万円を超える家庭用財産の評価方法
    • 原則的な評価方法
      売買実例価額、精通者意見価格等を参照して評価します。
    • 特例的な評価方法
      上記の売買実例価額や精通者意見価格等が不明な場合には、下記算式により評価します。
      同種・同規格の新品の課税時期における小売価額 − 課税時期までの償却費の額
    代表的な家庭用財産の具体的な評価方法については以下の通りです。

    自動車の評価

    相続開始時点の時価で評価します。実際は下記の価格等を参考に評価が行われます。

    • 実際の売却価格
    • 中古車買い取り業者の査定価格
    • 売り出し中の中古車価格(評価対象車の車種、走行距離などから勘案)
    • 相続開始時の新品の価格から減価償却相当額を控除した価格

    書画・骨董・貴金属の評価

    自動車と同様、相続開始時点の時価で評価します。実際は下記の価格等を参考に評価が行われます。

    • 実際の売却価格
    • 買い取り業者の査定価格
    • 著名な美術商に依頼して得られた鑑定額

    電話加入権の評価

    電話加入権も相続税の課税対象となる財産です。国税庁ホームページの財産評価基準書から評価額を確認することができます。地域によって評価額が異なり、令和2年の東京都の評価額は1,500円です。


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    • 法人から個人に対する贈与

      法人から個人に対する贈与

      贈与者

      POINT

      法人が個人に財産を贈与したときは、法人は当該財産を時価で譲渡したものとみなされ、含み益があれば、法人税法上、その含み益を益金の額に算入する(法法22②)。含み損があれば損金の額に算入する(法法22③)。

      受贈者

      POINT

      個人が法人から贈与により取得した財産は一時所得として所得税が課税され、贈与税は非課税とされている(相法21の3一、所基通34-1)

      贈与税は相続税の補完税であるから、納税義務者である受贈者は原則として個人に限るとともに、贈与者も個人に限る。相続が開始することのない法人については、相続税の課税原因が生ずることもないので、相続税の補完税としての贈与税の課税も行われない。

      個人が法人(注)から贈与により取得した財産は一時所得とされ、贈与税は非課税とされている(相法21の3一、所基通34-1)。法人格を有さない代表者又は管理者の定めのある人格のない社団又は財団から贈与により取得した財産についても法人からの贈与に準じ、一時所得とされ、贈与税は課税されない(相基通21の3-2、所法34、所基通34-1)。

      (注)法人には、株式会社などの他に、国、地方公共団体、外国法人を含む(相基通21の3-1)。

      個人に対する贈与と法人の経理

      法人が個人に財産を贈与する場合、企業会計上、全額が費用とされる場合であっても、法人税法上は特定の寄付金を除き一定の限度を超える金額は損金の額に算入されないこととされている(法法37)。また、法人の役員等が個人として負担すべき性格を持つ支出は、その者に対する賞与や退職金(継続して行われる場合は給与)であり、交際費や福利厚生費等に該当する支出は寄付金から除かれる(法法37⑦、法基通9-4-1~9-4-2の2)。

      図表Ⅰ-32 法人から個人に対する贈与にかかる課税関係

      法人から個人に対する贈与にかかる課税関係

      寄付金の損金算入限度額は、①一般の寄付金、②完全支配関係のある他の法人に対する寄付金、③国又は地方公共団体に対する寄付金、財務大臣が指定した寄付金、④特定公益増進法人などに対する寄付金の別により図表Ⅰ-33のとおり異なる(法法37、措法66の11の2②)。

      図表Ⅰ-33 寄付金の区分による取扱い

      寄付金の区分取扱い
      一般の寄付金資本金等の額と所得の金額に基づいて計算した金額まで損金算入できる
      完全支配関係がある他の法人に対する寄付金全額損金算入できない
      国又は地方公共団体に対する寄付金全額損金算入できる
      財務大臣が指定した寄付金(指定寄付金)
      特定公益増進法人に対する寄付金イとは別枠の限度額の範囲内の金額まで損金算入できる
      特定公益信託財産とするために支出する金銭等(公益増進信託に限る)
      認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)に対する寄付金

      (出典:税大校本『法人税』p.92)

    • 個人から法人に贈与する場合

      個人から法人に贈与する場合

      個人から法人に贈与する場合

      POINT

      1. 個人が法人に財産を贈与したときは、贈与資産を時価で法人に譲渡したものとみなされ(みなし譲渡)、贈与した個人に所得税が課税される。
      2. 受贈者が営利法人である場合は、贈与により取得した資産の時価を受贈益として計上し、法人税が課税される。
      3. 受贈者が代表者又は管理者の定めのある人格なき社団・財団であるときは、相続税法上、その人格なき社団・財団は個人とみなされて贈与税が課税される。
      4. 受贈者が、持分の定めのない法人(持分の定めのある法人で持分を共有者がいないものを含む。)であるときは、相続税の負担が不当に減少する結果となると認められれば、個人とみなされて贈与税が課税される。

      贈与者

      個人が法人に財産を贈与したときは、贈与した個人は、贈与資産を時価で法人に譲渡したものとみなされる(所法59①一)。譲渡資産の時価が取得価額と譲渡経費の合計を上回る場合には、譲渡所得の申告が必要となる。個人間の贈与(無償の資産移転)ならば、贈与財産の取得時期、取得価額は受贈者が引き継ぎ、受贈者が譲渡したときに資産の含み益(値上がり益)に対し譲渡所得を精算的に課税することとされている(1)

      (1)個人A⇒個人B ⇒ 個人Cと土地の贈与があり、Cが売却したときは、収入金額から個人Aの取得価額等を控除した値上がり益が課税対象となる。

      仮に、個人から法人に対する無償譲渡において、同様の取り扱いを規定すると、法人に対し無償譲渡があった場合、本来、所得税が課税されるべき値上がり益(個人が所有していた間の値上がり益)が法人に引き継がれ、個人が所有していた間の値上がり益に対し所得税課税されず法人税が課税される不合理な結果を生じてしまう(2)

      (2)個人A⇒法人Bと土地の贈与があり、個人間の贈与と同様の取り扱いをすると、個人Aが所有していた期間に生じた値上がり益(本来、所得税の課税対象)が、法人Bに課税され、法人税の課税対象となってしまう。

      このため、法人に対する資産の無償譲渡(遺贈、死因贈与、贈与)については、支配権の移転があったときに、そのときの時価で資産の譲渡があったとみなして贈与者に譲渡所得課税を行い、個人が所有していたときの値上がり益に対し所得税を精算的に課税するのが現行所得税法の規定である(所法59①一)。

      贈与といっても、個人が法人に低廉譲渡を行い経済的利益を供与(贈与)しようとする場合には、次のとおりとなる。

      1. 譲渡価額が時価の2分の1以上であれば、譲渡価額により譲渡所得を計算することとなる(所法33、36)。
      2. 譲渡価額が時価の2分の1未満であれば、時価で譲渡したものとみなされる(所法59①二、所令169)。
      3. ただし、譲受者が譲渡者の同族法人であり、同族会社の行為又は計算の否認規定(所法157)に該当するときは、譲渡価額が2分の1以上であっても時価で譲渡されたとして更正又は決定される場合がある(所基通59-3)。

      留意すべきは、これら1から3はすべて課税根拠となる所得税の規定が異なることである。

      法人に対する無償・低額譲渡と譲渡価額
      図表Ⅰ-28 法人に対する無償・低額譲渡と譲渡価額

      この場合の法人とは、いうもでもなく法人格を有する株式会社や一般社団法人・財団法人、公益法人などをいうが、所得税法上、法人とみなされる人格なき社団や財団を含む(所法4)。人格なき社団や財団が個人から贈与を受けたときは、無条件に個人とみなされ贈与税が課税されるが(相法66①④)、同時に贈与者に対し所得税法59条1項1号が適用され、贈与財産は時価で譲渡されたものとみなされ、贈与者に譲渡所得課税が行われる。

      なお、負担付贈与については、負担部分が対価と認められるため低廉譲渡と同様の取り扱いとなる。

      個人が法人に対し非上場会社の株式を贈与した場合は、時価で譲渡したものとみなされる。時価とは次のものをいう(所基通23~35共-9、所基通59-6)。

      1. 評価対象法人の株式の売買実例のある者は売買実例のうち適正と認められる価額(売り急ぎ、買い進みのない中値)
      2. 売買実例のないものでその株式等の発行法人と事業の種類、規模、収益の状況等が類似する他の法人の株式等の価額があるものは、類似会社の売買実例価額に比準して推定した価額
      3. 発行会社の売買実例や比準価額がないものは、次の条件を考慮し純資産価額等を参酌して通常取引すると認められる価額
        • 株式を譲渡した者が中心的な同族株主(注)に該当するときは、発行会社は「小会社」該当するものとして評価する。
        • 純資産評価を行うときに、評価対象会社の資産に土地・借地権等又は上場株式があるときは贈与の時における価額(時価)による。
        • 純資産評価方式で評価する場合は評価差額に対する法人税等相当額は控除しない。

      (注)「中心的な同族株主」とは、課税時期において同族株主の一人並びにその株主の配偶者、直系血族、兄弟姉妹及び一親等の姻族(これらの者の同族関係者である会社のうち、これらの者が有する議決権の合計数がその会社の議決権総数の25%以上である会社を含む。)の有する議決権の合計数がその会社の議決権総数の25%以上である場合におけるその株主をいう。

      小会社は、原則として、純資産価額方式によって評価する(評価差額に対する法人税等相当額は控除しない)。ただし、納税義務者の選択により、類似業種比準価額を50%、純資産評価額を50%とした評価方法をとることもできる(相基通179)。

      図表Ⅰ-29 取引相場のない小会社の価額

      会社区分評価方式
      小会社純資産価額
      又は
      類似業種比準価額×50%+純資産価額×50%
      (議決権割合50%以下の同族株主グループに属する株主については、その80%で評価する。)
      参考法令等 – 所得税法59条《贈与等の場合の譲渡所得の特例》関係

      所得税法基本通達:株式等を贈与等した場合の「そのときにおける価額」

      59-6

      法第59条第1項の規定の適用に当たって、譲渡所得の基因となる資産が株式(株主又は投資主となる権利、株式の割当を受ける権利、新株予約権及び新株予約権の割り当てを受ける権利を含む。以下この項において同じ。)である場合の同項に規定する「そのときにおける価額」とは、23~35共-9に準じて算定した価額による。この場合、23~35共-9の(4)二に定める「1株又は1口あたりの純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額」とは、原則として、次によることを条件に、昭和39年4月25日付直資56・直審(資)17「財産評価基本通達」(法令解釈通達)の178から189-7まで《取引相場のない株式の評価》の例により算定した価額とする。

      1. 財産評価基本通達188の(1)に定める「同族株主」に該当するかどうかは、株式を譲渡又は贈与した個人の当該譲渡又は贈与直前の議決権の数により判定すること。
      2. 当該株式の価額につき財産評価基本通達179の例により算定する場合(同通達189-3の(1)において同通達179に準じて算定する場合を含む。)において、株式を譲渡又は贈与した個人が当該株式の発行会社にとって同通達188の(2)に定める「中心的な同族株主」に該当するときは、当該発行会社は常に同通達の定める「小会社」に該当するものとしてその例によること。
      3. 当該会社の発行会社が土地(土地の上に存在する権利を含む。)又は証券取引所に上場されている有価証券を有しているときは、財産評価基本通達185の本文に定める「1株あたりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)」の計算に当たり、これらの資産については、当該譲渡又は贈与の時における価額によること。
      4. 財産評価基本通達185の本文に定める「1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)」の計算に当たり、同通達186-2により計算した評価差額に対する法人税額等に相当する金額は控除しないこと。
      所得税法基本通達:株式等を取得する権利の価額

      23~35共-9

      令第84条第1号から第4号までに掲げる権利の行使の日又は同条第5号に掲げる権利に基づく払込み又は給付の期日(払込み又は給付の期間の定めがある場合には、当該払込み又は給付をした日。以下この項において「権利行使日等」という。)における同条本文の株式の価額は、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次による。

      1. これらの権利の行使により取得する株式が金融商品取引所に上場されている場合
      2. 当該株式につき金融商品取引法第130条《総取引高、価格等の通知等》の規定により公表された最終の価格(同条の規定により公表された最終の価格がない場合は公表された最終の気配相場の価格とし、同日に最終の価格又は最終の気配相場の価格のいずれもない場合には、同日朝の同日に最も近い日における最終の価格又は最終の気配相場の価格とする。)による。なお、2以上の金融商品取引所に同一の区分に属する価格があるときは、当該価格が最も高い金融商品取引所の価格とする。
      3. これらの権利の行使により取得する新株(当該権利の行使があったことにより発行された株式をいう。以下この2及び3において同じ。)に係る旧株が金融商品取引所に上場されている場合において、当該新株が上場されていないとき、当該旧株の最終の価格を基準として当該新株につき合理的に計算した価額とする。
      4. 1の株式及び2の新株に係る旧株が金融商品取引所に上場されていない場合において、当該株式又は当該旧株につき気配相場の価格があるとき1又は2の最終の価格を気配相場の価格と読み替えて1又は2により求めた価額とする。
      5. 1から3までに掲げる場合以外の場合
      6. 次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる価額とする。

      イ 売買実例のあるもの 最近において売買の行われたもののうち適正と認められる価額

      ロ 公開途上にある株式(金融商品取引所が内閣総理大臣に対して株式の上場の届出を行うことを明らかにした日から上場の日の前日までのその株式及び日本証券業協会が株式を登録銘柄として登録することを明らかにした日から登録の日の前日までのその株式)で、当該株式の上場又は登録に際して株式の公募又は売出し(以下この項において「公募等」という。)が行われるもの(イに該当するものを除く。) 金融商品取引所又は日本証券業協会の内規によって行われる入札により決定されるんふうさつごの公募等の価格等を参酌して通常取引されると認められる価額

      ハ 売買実例のないものでその株式の発行法人と事業の種類、規模、収益の状況等が類似する他の法人の株式の価額があるもの 当該価額に比準して推定した価額

      ニ イからハまでに該当しないもの 権利行使日等又は権利行使日等に最も近い日におけるその株式の発行法人の1株又は1口当たりの純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額

      (注)この取扱いは、令第354条第2項《新株予約権の行使に関する調書》に規定する「当該新株予約権を発行又は割当てをした株式会社の株式の1株当たりの価額」について準用する。

      受贈者

      贈与税の納税義務者は贈与により財産を取得した個人に限られる(相法1の4)。営利法人は贈与等の納税義務者とはならない。営利法人は、贈与により取得した資産の時価を受贈益として計上し、法人税が課税される(法法22②)。

      ただし、営利法人に対する贈与があった場合に、間接的に営利法人の株主に対する利益供与となる場合がある(相法9)。営利法人に対する利益の供与により、その法人の株価が上昇するときには、贈与者から営利法人の株主に対し株価上昇分の経済的利益の贈与があったと認定され贈与税が課される(3)(相基通9-2)。

      (3)会社が資力を喪失した場合における私財提供行為により受ける経済的利益については、債務超過額に相当する部分の金額については、一時的に債務超過となっている場合を除き、経済的利益の贈与としては取り扱わないこととされている(相基通9-3)。

      個人が営利法人に資産を贈与したときだけでなく、低廉譲渡、現物出資、債務免除などを行ったときも、同様にその法人の株主に対する経済的利益の供与となり、法人に対する贈与者から株主が経済的利益の贈与を受けたものとして贈与税が課税される。

      受贈者となる法人は営利法人ばかりではない。人格なき社団・財団、持分の定めのない法人も受贈者として登場する。受贈者が代表者又は管理者の定めのある人格なく社団・財団であるときは、相続税法は無条件に個人とみなして贈与税の納税義務者としている(相法66①④)。

      持分の定めのない法人(持分の定めのある法人で持分を有するものがないものを含む。)は、特定の場合に個人とみなされ贈与税の納税義務者となる(相法66④⑥)。特定の場合とは、贈与者等の親族その他これらの者と特別の関係があるものの贈与税、相続税の負担が不当に減少する結果となると認められるときをいう(相法66④⑥、相令33③)。相続税等の負担が不当に減少する結果となると認められる場合とは、次の適正要件から外れた運営組織や事業運用がなされた場合をいう(相令33③)。

      1. その運営組織が適正であり、定款等により事業運営が特定の者又はその特別関係者の支配に服さないこと
      2. これらの者に対し事業に関連して施設の利用、金銭の貸し付けなどの特別の利益を与えないこと
      3. 定款等において残余財産を国又は地方公共団体又は公益社団法人・公益財団法人その他の交易を目的とする事業を行う法人(持分の定めのないものに限る。)に帰属させる旨の定めがあること
      4. 法令に違反する事実等がないこと

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      • 個人に対する負担付贈与

        個人に対する負担付贈与

        個人に対する負担付贈与

        POINT

        1. 個人から個人へ負担付贈与を行った場合には贈与財産の価額から負担額を控除した価額が受贈益になり、受贈者に贈与税が課税される。
        2. この場合、贈与財産が不動産である場合には、その贈与時おける通常の取引価額に相当する金額が贈与財産の価額になる。
        3. 受贈者が負担する債務が贈与者の利益になるものについては、負担に相当する金額を対価とした譲渡が行われたとみて贈与者に所得税が課税される。
        4. 受贈者が負担する債務が第三者の利益になるものについては、第三者は負担額に相当する金額を贈与により取得したことになり、第三者に贈与税が課税される。

        負担付贈与とは、受贈者に一定の給付をなすべき債務を負担させることを条件にした贈与契約をいう。

        個人から個人に負担付贈与を行った場合は「贈与財産の価額から負担額を控除した価額」が実質的に受贈益となる。この利益に対し贈与税が課税される(相法7)。また、受贈者が負担する債務が贈与者の利益となるものについては、譲渡所得の課税対象となる。所得税法上、贈与も譲渡所得における「譲渡」に含まれるので、負担に相当する金額を対価とした「資産の譲渡」が行われたとみるわけである(所法33、36①)。

        負担付贈与における贈与税の課税価格は、贈与された財産が土地、借地権、家屋及び構築物などの不動産である場合には、その贈与の時における通常の取引価額に相当する金額から負担額を控除した価額によることになっている(平成元年3月29日平元3直評5外1課共同:負担付贈与又は対価を伴う取引により取得した土地等及び家屋等に係る評かなr日に相続税法第7条及び第9条の規定の適用について(以下、「負担付贈与通達」という。))。

        AがBに貸家を贈与すると、貸主Aの地位は受贈者Bに移転し、敷金返還債務は貸主の地位の移転とともに受贈者Bに移転する。このような贈与は負担付贈与であり、貸家の評価額は時価となる。負担付贈与にならないようにと、敷金返還債務相当額の金銭をAからBに贈与しても、法形式上は、不動産+現金の贈与と債務(敷金返還債務)の移転という負担付贈与に該当するが、国税庁は、敷金返還債務に相当する現金の贈与を同時に行っている場合には、一般的に敷金返還債務を承継させる意図が贈与者・受贈者間においてなく、実質的な負担はないと認定することができるとしている(国税庁質疑応答事例集:賃貸アパートの贈与に係る負担付贈与通達の適用関係)。

        上場株式、気配相場等のある株式を贈与した場合の評価額は、原則として、「贈与当日の終値」、「贈与した当月、前月、前々月の終値の月中平均」の4つのうち最も低いものを適用できるが、負担付贈与又は対価を伴う取引を行った場合は、4つの評価額のうち最も低いものではなく、贈与当日の終値、すなわち課税時期の取引価額が相続税評価額となる(1)(財産評価基本通達169(2))。

        (1) 同族会社の株式(非上場株式)を負担付贈与又は売買する場合、同族会社が所有している上場株式等の評価については、本来の評価方法(課税時期当日終値、前月、前々月、前前々月終値平均のうち最も低い価額)となる。

        負担付贈与があった場合においてその負担額が第三者の利益に帰すときは、第三者は負担額に相当する金額を贈与により取得したことになる(相基通9-11、21の2-4、負担付贈与通達)。

        現行、所得税法33条に規定する「譲渡」とは、通常、法律行為による所有権の移転と解されているので、相続のように一定の事実(相続)に基づいてその効果(権利、義務の包括的承継)が生ずる場合は「譲渡」に含まれないが、贈与、遺贈による資産の移転は同条に規定する「譲渡」に該当する(2)

        (2) 『 所得税法基本通達逐条解説(平成21年版) 』p.664。

        負担付贈与における負担が贈与者(資産の譲渡者)に対し経済的利益をもたらす場合は、その経済的利益を収入金額とする「資産の譲渡」に該当する(所法33、36①)。

        借入金で購入した時価100の土地建物甲を個人Aに贈与するが、Aは債務40を負担せよという負担付贈与契約において、甲の取得価額が10である場合、10で取得したものを40で譲渡すると30の譲渡所得が発生する。これは、40という対価を得ているので、所得税法33条《譲渡所得》と同法36条《収入金額》の規定により課税される。法形式上は低額譲渡であるが、税務の世界では、相手が個人であれば対価40部分が譲渡であり、対価のない残りの部分60が贈与となる。

        なお、対価を伴わない単純な贈与では、贈与による支配権の移転に伴い贈与資産の値上がり益に対する譲渡所得課税は行われないので、受贈者は贈与者の取得時期と取得価額を引き継ぐ。これに愛し、負担付贈与や対価を伴う贈与では、還俗として受贈者(実質譲受者)は支払った対価で当該資産を取得したと同視し得るから、実際に支払った金額が当該資産の取得価額となる。ただし、譲渡価額(負担付贈与の負担額)が、時価の2分の1未満であり、かつ、贈与者の取得価額を下回る場合、言い換えれば、譲渡損失が計上される場合は、譲渡者(贈与者)の譲渡損失はなかったものとみなされ、譲渡者(贈与者)の取得時期と取得価額は譲受者(受贈者)に引き継がれる(所法60①、所基通60-1)。

        個人Aから個人Bに対し40の負債を引き継ぐことを条件に100の資産を贈与した場合
        図表Ⅰ-24 例:個人Aから個人Bに対し40の負債を引き継ぐことを条件に100の資産を贈与した場合

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        • 法人に対する遺贈(遺贈に係る譲渡所得課税)

          法人に対する遺贈(遺贈に係る譲渡所得課税)

          法人に対する遺贈

          法人に対し譲渡所得の基因となる資産の遺贈が行われた場合には、時価で譲渡されたものとみなされる(所法59①一)。個人間の遺贈ならば、受遺者には相続税を課税し、遺贈者が遺贈財産を取得した時期や取得価額を受贈者に引き継がせることにより、遺贈者が所有していた間に生じた資産の値上がり益を受贈者に引き継がせ、将来、受遺者が受遺財産を譲渡したときに譲渡所得課税を受けることとされている(所法60)。個人から法人に対する遺贈において、同様の取り扱いを行うと、本来、所得税が課税されるべき値上がり益(個人が所有していた間の値上がり益)が法人に引き継がれ、所得税が課税されず法人税が課税されるという不合理な結果を生じてしまう(1)

          (1)速報税理2008.8.1 小林栢弘「法人に対する特定遺贈とみなし譲渡所得課税の適用は?」

          このため、法人に対する資産の無償譲渡(遺贈、死因贈与、贈与)については、個人から法人に支配権の移転があったときの「時価」で譲渡があったとみなして譲渡所得課税を行い、遺贈者である個人が所有していたときの値上がり益に対し所得税を精算的に課税するのが現行所得税法59条1項1号の規定である。この規定は、法人に対する遺贈においては、「時価」で譲渡したとみなすことに主眼がある。

          法人に対する遺贈が時価で譲渡したものとみなされる結果、遺贈財産に含み益があれば、遺贈者は譲渡所得の申告が必要となる(所法59①一)。遺贈者の死亡により遺言の効果が生ずるのであるから、遺贈者の相続人は相続開始を知った日の翌日から四ヶ月以内に準確定申告を行い(所法124)、納税義務を負わなければならない(通法5)。法人に対する遺贈が特定遺贈ならば、特定遺贈の受遺者は遺贈者の準確定申告に関しては、申告義務も納税義務も負わない(2)が、包括遺贈ならば、包括受遺者は被相続人の債務を承継するから包括受遺者である法人も準確定申告の共同提出義務を負い、納税義務を承継する。相続人や受遺者が複数いる場合には、それぞれの者が承継する国税の額は、民法900条から902条までの規定(法定相続分・遺言による相続分の指定)による相続分により按分して計算した額によるものとされている(3)。その者の負担すべき国税の額が相続によって得た財産の額を超えるときは、その相続人(包括受遺者を含む。)はその額を限度とし、他の相続人がその納付義務を負うものと規定されている(通法5②③)。

          (2)第二次納税義務を負担することはある(国徴法39)。

          (3)これに対し相続税の課税各区は、民法900条から903条(特別受益)による相続分により計算する。三年内加算の対象となる相続開始前の贈与は特別受益にあたるからである。

          このように、遺贈者の準確定申告と納税義務は相続人及び包括受遺者が承継する。このため、土地や株式など含み益のある資産を法人に対し特定遺贈する場合には、相続人が納税資金に苦しまないようにあらかじめ考慮する必要が生ずる。

          時価5,000万円の土地を法人に特定遺贈すると、取得費が収入金額の5%ならば、712万円ほどの所得税を負担することになる(5,000万円X(1-5%)x15.315%≒727万円)(4)

          (4)住民税の課税時期である翌年の1月1日には納税義務者である被相続人は存在しないので住民税(5%)は課税されない。

          所得税の納税資金を相続人に相続させる方法も考えられるが、この場合には、相続により取得する資金に相続税が課税される。このようなことから、法人に特定遺贈する場合には、準確定申告における譲渡所得の税金相当額を受遺者である法人に負担させるよう負担付遺贈を行う等の配慮をすることも検討に値する方法である。

          ただし、公益法人等その他公益を目的とする事業を行う法人に対し土地等の資産を遺贈するときに、あらかじめ譲渡所得税相当額の金額を負担する内容の負担付遺贈にすると、公益法人等に対する譲渡所得の非課税規定(措法40)が適用できなくなるので注意が必要である。租税特別措置法40条は、法人に対する贈与又は遺贈に関する所得税法59条1項1号の特別規定である、負担という実質的な対価を伴う資産の移転ならば、無償の資産の移転を前提とする59条1項1号の適用はなく、租税特別措置法40条の規定の適用の余地はなくなるのである。

          所得税法59条の規定する「法人」には、営利法人だけでなく、人格なき社団・財団、持分の定めのない法人、国又は地方公共団体も含まれる。

          人格なき社団や財団(以下、「人格なき社団等」という。)に対し遺贈が行われた場合には、人格なき社団等は個人とみなされ相続税が課税されるが、(遺贈資産が譲渡所得の基因となる資産であれば)同時に遺贈者に対し所得税法59条1項1号が適用され遺贈資産は時価で譲渡されたものとみなされ、遺贈者に譲渡所得課税が行われる。

          人格なき社団等は、民法上は法人格を有しないが、所得税法上では、代表者又は管理人の定めのある人格のない社団等は法人とみなされるので(所法4)(5)、所得税法59条の規定する「法人」に含まれるのである。

          (5)法人税法では、収益事業を行う場合に法人税の納税義務者となるとされている(法法4①)。

          持分の定めのない法人や国又は地方公共団体は、法人格を有するから持分の定めのない法人に対する遺贈は「時価」で譲渡されたものとみなされる。

          ただし、国又は地方公共団体に対し財産を遺贈(寄付)した場合にまで譲渡所得課税の対象とするのは適当ではないので、国又は地方公共団体に遺贈したときは租税特別措置法40条《国等に対し財産を譲渡した場合の譲渡所得等の非課税》により所得税法59条1項1号の規定する遺贈はなかったものとみなされ、譲渡所得の課税は行わないこととされている(措法40①)。

          また、遺贈を受ける法人が公益認定委員会により認定された公益社団法人、公益財団法人や公益認定を受けることはできないものの、非営利型法人である特定一般法人(6)、その他公益を目的とする事業を行う法人(注)である場合には、民間の行う公益活動を促進する観点から、これらの法人に対する財産の遺贈についても、遺贈が公益の増進に著しく寄与すること、遺贈された財産(国外財産は除かれる。)が二年以内に公益目的事業の用に供されるなど一定の要件を満たすものとして国税庁長官の承認を得たときは、国又は地方公共団体に対する遺贈と同様に、所得税法59条1項1号の規定については遺贈がなかったものとみなすこととされている(措法40①後段)。

          (注)外国法人は除かれる。人格なき社団等は含まない。財団である医療法人及び持分の定めのない医療法人を含む。

          (6)非営利型法人として、事業により利益を得ること又は得た利益を分配することを目的としない法人であって(法法2①九の二イ)、その事業を運営するための組織が適正であるための所定の要件に該当しなければならない(法令3、措法40①)。非営利型法人とは、一般社団法人又は一般財団法人のうち、「非営利性が徹底された法人」又は「共益的活動を目的とする法人」として所定の要件を全て満たしている法人をいい(法法2九の二)、所定の要件を満たせば特に申請する必要もなく法人税法上の公益法人等として取り扱われ、国税庁が定める34種の収益事業以外から得た所得については法人税が非課税となるが、公益社団法人・財団法人とは異なり、非営利事業に係る金融資産の利子・配当にも源泉所得税が課され、収益事業等から生ずる所得とは通算されない(法令3)。

          国税庁長官の承認を受けた財産の遺贈につき、一定の要件を満たさないこととなったときは、国税庁長官は承認を取り消すことができる。この場合に、遺贈された財産を公益事業の用に供する前に承認取消事由が生じたときは、遺贈をした個人に対し遺贈があったときの時価に相当する金額で譲渡があったとみなして譲渡所得課税が行われる。課税年分は、遺贈があった日の属する年分である(措法40②、措令25の17②)(7)

          (7)遺贈ではなく贈与があった場合にも同様の取り扱いとなるが、承認が取り消された贈与のみなし譲渡所得の課税年分は、贈与の非課税承認が取り消された日の属する年分となる。非課税承認取消の日までに贈与者がすでに死亡している場合は、贈与者が死亡した日の属する年分となる。

          遺贈された財産を公益事業の用に供した後に、譲渡所得の非課税の承認取消事由が生じたときは、遺贈を行った個人に譲渡所得の課税を行うのは過酷であり、承認取消まで相当の期間が経過していることも考えられるので、遺贈を行った個人に対しみなし譲渡所得の課税を行うのではなく、公益を目的とする事業を行う法人を遺贈した個人とみなして、遺贈を受けた公益を目的とする事業を行う法人に対しみなし譲渡所得課税が行われる(措法40③)。

          図表Ⅱ-33 法人に対する遺贈に係るみなし譲渡課税整理表

          受遺者遺贈者申告方法等
          普通法人みなし譲渡所得の課税
          (所法59①一)
          被相続人に課税
          (準確定申告)
          代表者又は管理人の定めのある人格なき社団又は財団みなし譲渡所得の課税
          (所法59①一)
          被相続人に課税
          (準確定申告)
          公益社団法人、公益財団法人や特定一般法人、その他公益を目的とする事業を行う法人(財団である医療法人及び持分の定めのない社団である医療法人を含む。外国法人は含まない。)みなし譲渡所得の課税
          (所法59①一)
          被相続人に課税
          (準確定申告)
          国等に財産を寄付した場合の譲渡所得の非課税国税庁長官の承認
          譲渡所得非課税
          非課税承認取消
          公益事業に供する前に承認取消公益事業に供した後に承認取消
          (措法40、措令25の17、措規18の19)被相続人に課税
          (準確定申告)
          公益目的事業を行う法人を個人とみなして譲渡所得課税

          図表Ⅱ-34 非営利法人に対する課税の取扱い

          公益社団法人、公益財団法人学校法人、社会福祉法人、更生保護法人その他の公益法人等(日本赤十字社等)認定特定非営利法人、仮認定特定非営利活動法人特定非営利活動法人非営利型の一般社団法人、一般財団法人(注1)一般社団法人、一般財団法人
          課税対象収益事業課税、ただし、公益目的事業に該当するものは、収益事業であっても非課税収益事業課税収益事業課税収益事業課税収益事業課税収益事業課税全所得課税
          みなし寄付金損金算入限度額(注2)次のいずれか多い金額
          ①所得金額の50%
          ②公益目的事業の実施に必要な金額
          次のいずれか多い金額
          ①所得金額の50%
          ②年200万円
          所得金額の20%次のいずれか多い金額(仮認定特定非営利活動法人は適用なし)
          ①所得金額の50%
          ②年200万円
          なしなしなし
          法人税率23.9%
          (所得年800万円まで15%(注3)
          19%
          (所得年800万円まで15%(注3)
          19%
          (所得年800万円まで15%(注3)
          23.9%
          (所得年800万円まで15%(注3)
          23.9%
          (所得年800万円まで15%(注3)
          23.9%
          (所得800万円まで15%(注3)
          23.9%
          (所得年800万円まで15%(注3)
          金融資産収益
          (注4)
          法人税収益事業から生じるもののみ課税収益事業から生じるもののみ課税収益事業から生じるもののみ課税収益事業から生じるもののみ課税収益事業から生じるもののみ課税収益事業から生じるもののみ課税課税
          所得税
          (源泉徴収)
          非課税
          (なし)
          非課税
          (なし)
          非課税
          (なし)
          課税
          (あり)
          課税
          (あり)
          課税
          (あり)
          課税
          (あり)
          寄付者に対する寄付優遇ありありあり
          (注5)
          ありなしなしなし

          (注1)非営利型の一般社団法人・一般財団法人:①非営利性が徹底された法人、②共益的活動を目的とする法人。

          (注2)「みなし寄付金」とは、収益事業に属する資産のうちから収益事業以外の事業のために支出した金額がある場合には、その支出した金額を寄付金の額とみなして、寄付金の損金算入限度額の範囲内で損金算入を認めるもの。

          (注3)平成24年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する各事業年度に適用される。

          (注4)法人税の課税対象となる利子・配当等の金融資産収益については、所得税額控除又は所得税額の還付の規定の適用あり。

          (注5)特定公益増進法人等に該当する法人のみに適用される。

          (出典)国税庁パンフレット 新たな公益法人関係税制の手引き

          ■非課税承認に係る財産を買い換えた場合の非課税制度の継続適用

          寄付(贈与又は遺贈をいう。)を受けた公益法人が(譲渡所得の非課税規定≪措法40条1項後段≫の適用を受けた)寄附財産を、二年以上公益事業の用に供した後に譲渡し、譲渡による収入金額の全部に相当する金額を持って同様の資産を購入し、その資産を直接公益事業の用に供する場合には、譲渡の前日までに一定の書類を国税庁長官に提出する等の手続をとることにより、非課税制度の継続適用を受けることができる(措法40⑤、措規18の19⑫)。


          二年以上直接公益目的事業の用に供しているかの期間判定

          1. 二年以上直接供しているかどうかの判定は、株式の場合、寄付を受けた日以後に寄付された株式から生じた果実を最初に公益目的事業の用に供した日をいう(措通40㉓)。
          2. 措置法40条5項に規定する「譲渡の日」とは、寄付を受けた財産の譲渡による引渡の日をいうものとして取り扱われる(措通40㉕)。

          同種の資産の範囲

          譲渡財産が株式である場合には、公社債及び投資信託の受益権は同種の資産に含まれるものとして取り扱われる(措規18の19⑪)。

          ただし、割引債や無分配型(分配型であって利息が再投資されるものを含む。)の投資信託の受益権などのように、果実が生じない又は生ずる果実を公益目的事業の用に供することができない公社債及び投資信託の受益権は同種の資産に含まれない(措通40㉙)。


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          • 既経過利息の相続税評価について

            既経過利息の相続税評価について

            既経過利息の相続税評価

            既経過利息とは「相続開始日時点にその預金口座を解約した場合に支払われることになる利息」です。
            相続財産の中に有る定期性預金の評価には、残高証明書に記載されている額面金額に既経過利息を含めます。
            定期性の預金には、定期預金、定額預金、貯蓄預金などがあります。これらはすべて既経過利息の計算を行う必要があり、財産評価基本通達上、1円たりとも省略することは認められていません。

            既経過利息とは

            既経過利息とは預貯金を相続開始日時点で解約した時に支払われる利息のことです。
            この利子所得には一律15.315%(他に地方税5%)の税率を乗じて算出した所得税・復興特別所得税が源泉徴収されます。評価の際は、この源泉所得税相当額を差し引いた金額が既経過利息の額となります。
            定期預金や定額預金は普通預金より利息が高額になるので、相続税評価額には相続開始時点の残高に既経過利息を含めます。

            普通預金の場合

            普通預金、当座預金など既経過利息が少額の場合には評価に含める必要はありません。相続開始時点の残高が相続税評価額となります。

            解約利率が適用される場合

            満期と途中解約では利息が異なる商品は、相続開始日で解約した場合に適用される利率で既経過利息の計算をします。


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            • 法人に対する負担付贈与

              法人に対する負担付贈与

              法人に対する負担付贈与

              POINT

              1. 個人が法人に対し負担付贈与をしたときは、負担額が贈与する財産の時価の2分の1未満であるときは、時価で譲渡したものとみなされる(所法59①2)。
              2. 法人に対しては、受贈資産の時価と負担額との差額を受贈益として法人税が課税される。

              個人が法人に対し譲渡所得の基因となる資産の贈与を行った場合は、所得税法59条1項1号の規定により(対価が全く支払われないにもかかわらず)時価で譲渡されたものとみなされる。これに対し、個人が法人に負担付贈与を行い受贈者の負担が贈与者の利益となる場合には負担が対価性を帯びるので対価のない取引に対価を擬製する所得税法59条1項の規定の適用の余地はなく、(譲渡所得の課税要件を定める)所得税法33条の規定により負担部分を対価として譲渡所得の課税対象とされ、低廉譲渡に当たれば所得税法59条2項の規定が適用される。

              すなわち、贈与する財産の時価に比べ負担額が著しく低いときは、時価で譲渡したものとみなされる(所法59①2)。著しく低い価額とは「時価の2分の1に満たない金額」とされている(所令169)。負担額が贈与財産の時価の2分の1以上ならば、負担額、すなわち当事者が取り決めた金額で譲渡所得の計算を行う。負担額が時価の2分の1未満であれば時価で譲渡したとして譲渡所得の計算を行わなければならない(所令169、所基通59-2)。いずれの場合も、受贈法人は、受贈資産の時価と負担額との差額を受贈益として益金に計上する。

              法人に対する負担付贈与と課税関係
              図表Ⅰ-30 法人に対する負担付贈与と課税関係

              同族会社に対し譲渡所得の基因となる資産を低廉譲渡したときにおいて、株主等特殊関係者の所得税の負担を不当に減少させる結果となる場合は、同族会社の行為又は計算の否認規定(所法157)の適用がある。その場合は低廉譲渡価額が時価の2分の1以上であっても時価で譲渡したとみなされる(所基通29-3)。

              個人から法人への負担付贈与に係るみなし譲渡規定適用有無判定フローチャート
              図表Ⅰ-31 個人から法人への負担付贈与に係るみなし譲渡規定適用有無フローチャート

              なお、公益法人等その他公益を目的とする事業を行う法人に対する譲渡所得の非課税規定(措法40)は、法人に対する贈与又は遺贈に関する所得税法59条1項1号の特別規定であり、所得税法59条1項2号に規定する低額譲渡に係るみなし譲渡所得に関しては適用がないことに注意が必要である。負担付贈与は所得税法59条1項2号に該当するから、公益法人等に対する譲渡所得の非課税規定(措法40)の適用の余地はなくなる。公益法人等に負担を求める場合は、譲渡所得は非課税にならないということである。


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              • 個人から個人及び「個人とみなされる者」に対する贈与

                個人から個人及び「個人とみなされる者」に対する贈与

                個人から個人及び「個人とみなされる者」に対する贈与

                贈与者

                POINT

                1. 贈与税の納税義務者は、相続税の課税体系により決まる。
                2. 遺産課税方式では、贈与者が納税義務者となる。
                3. 遺産取得課税方式では、受贈者が納税義務者となる。

                誰を贈与税の納税義務者とするかは、相続税の課税方式により定まる。
                相続税の課税方式は、遺産課税方式と遺産取得課税方式に二分される。

                現行の相続税法は遺産取得課税方式(1)を採用しているので、相続又は遺贈により財産を取得した者に対し相続税を課税する(原則個人)。
                贈与税も財産を取得した受贈者を納税義務者としているので、贈与者は贈与税の納税義務者とはならない。
                個人から個人に対し贈与するケースでは、贈与者には何ら課税関係を生じさせていない。

                純粋な遺産取得課税方式は、相続又は遺贈で実際に取得した額に応じて各相続人が個別に申告する。この方式では、遺産を少人数で取得すると多人数で相続するよりも負担が重たくなる。そこで、兄弟三人のうち一人が全遺産を相続しても、三人で均等に相続したように仮装分割が横行する可能性がある。このため、現行の相続税法は、相続人が法定相続分で遺産を取得したと仮定して相続税の総額を算出する、遺産取得課税方式を採用している。

                英米で採用されている遺産課税方式は遺産そのものに相続税を課税する。
                遺産管理人や遺言執行者などは、相続財産からまず相続税を納付し、その後、相続人や受遺者に遺産を分割する。
                贈与税も贈与者を納税義務者としている。
                米国内歳入庁(The Internal Revenue Service)はホームページで相続税(Estate Tax)を次のように定義している。

                The Estate Tax is a tax on your right to transfer property at your death.
                (相続税は死亡時に財産権を移転する権利に課税する。)

                米国内歳入庁(The Internal Revenue Service)ホームページ

                相続税の課税方式の概念図

                (1)遺産課税方式(米・英)
                (1)遺産課税方式(米・英)
                (2)遺産取得課税方式(日・独・仏)
                (2)遺産取得課税方式(日・独・仏)

                贈与者の連帯納付義務と立替納付

                受贈者(納税義務者)が納税しない場合、贈与者は贈与した財産の価額に相当する金額を限度として、受贈者に課税される贈与税の連帯納付義務を負うこととされている。

                贈与税の課税対象となるのは現物資産に限らず、債務の免除や求償権の放棄などの経済的利益も含まれる。
                受贈者に資金のゆとりがないとき、例えば父が未成年の子に不動産を贈与した場合など、受贈者である子供が負担すべき贈与税を贈与者である父が負担することがある。贈与税相当額の経済的利益の贈与、または納税資金の贈与となる。贈与税の課税対象は、贈与を受けた不動産の相続税評価額に父が支払う贈与税相当額を加算した金額となる。

                図表では贈与税の課税対象を「不動産の相続税評価額+納税資金」と表示しているが、現実には、不動産を贈与した翌年の3月15日が法定納期限となるので、納税資金の贈与は翌年となる事が多い(課税年分は異なる。)。

                ただし、贈与者が連帯納付義務の責めに基づいて贈与税を納付した場合に、受贈者が資力喪失の時には、求償権放棄の有無にかかわらず贈与があったものとはみなされないが、受贈者が資力喪失の状態になく自己資金で納付が可能であるときでも、その納付が直ちに本来の納税義務者に対する贈与となるのではなく、求償権を放棄したときに贈与があったものとみなされる(積極的に放棄していなくても、明らかに求償権を行使しないと認められる場合を含む。)。

                不動産と共に納税資金を贈与した場合
                不動産と共に納税資金を贈与した場合

                受贈者

                POINT

                受贈者は、次の三つに分類される。

                1)常に贈与税の納税義務者となる者

                • 個人(自然人)
                  制限納税義務者の場合、課税されるのは国内財産に限られる。
                • 人格のない社団等

                2)特定の場合に納税義務者となる者

                • 持分の定めのない法人(持分を有する者がない法人)
                  持分の定めのない法人に対し贈与があった場合、これにより贈与者の親族その他これらの者と特別の関係がある者の贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められるときは、その持分の定めのない法人は個人とみなされ贈与税が課税される。

                3)常に贈与税の納税義務者にならない者

                • 持分の定めのある法人(持分を有する者がいる法人)
                  同族会社に対する贈与によりその会社の株式等の価額が増加した場合、増加した部分は他の株主等が贈与により取得したものとみなされ、贈与税の課税対象となる。
                法人に対する課税

                人格なき社団等及び公益法人等は、収益事業から生じた所得についてのみ法人税が課税される。
                贈与による資産の取得は通常収益事業に該当せず、法人税は課税されない。

                普通法人が贈与によって取得した財産の価額は、各事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入され法人税が課税される。

                法人に対する贈与とみなし譲渡所得課税

                法人に対して不動産や株式などの譲渡所得の基因となる資産を贈与した場合、時価で資産を譲渡したとみなされる(注)

                (注)国・地方公共団体に対する寄付や公益財団法人等に対する寄付で、一定の要件を満たすものとして国税庁長官の承認を受けたときは、譲渡所得は非課税とされる。

                イ 贈与税の納税義務者は個人に限られない

                贈与により財産を取得した個人(自然人)は贈与税の納税義務者となる

                相続または遺贈・死因贈与で財産を取得した者には相続税が課税される。
                相続開始前に、相続人やその他の親族などに財産を贈与すると、将来の相続財産を分散、減少させることができる。
                このような贈与による財産の移転に対し何らかの課税をしないと、相続における税負担の公平を保つことができない。
                そこで、相続税法は贈与で財産を取得した個人に贈与税を課すこととしている。

                個人が財産を贈与する相手は個人とは限らない

                次のようなものが考えられる。

                1. 人格なき社団・財団
                2. 持分の定めのない法人
                3. 営利法人

                人格なき社団・財団は、無条件に個人とみなされ贈与税の納税義務者となる。
                持分の定めのない法人は、特定の場合に贈与税の納税義務者となる。
                株式会社などの営利法人は、受贈益に対し法人税が課税されるので贈与税の納税義務者となることはない。
                留意すべき点は、法人が贈与を受けることで法人の出資者(株主等)の出資持ち分の価値が増加する場合、贈与者から法人の出資者への贈与となることである。株価の増加は財産評価基本通達に定めるところにより算定する。類似業種比準方式で評価する会社なら贈与による株価の増加がほとんどないケースも認められる。

                個人が持分の定めのない法人に対し財産を贈与することに関連して、当該法人から特別の利益を受ける特定の範囲の者に対し、贈与税を課税する規定があることにも注意が必要である(特別の法人から受ける利益に対する課税)。

                ロ 代表者または管理者の定めのある人格なき社団や財団

                代表者又は管理者の定めのある人格のない社団・財団は、無条件に個人とみなされ贈与税の納税義務者となる(相法66①)。

                人格なき社団や財団は所得税法や法人税法では、法人とみなされ、その収益には法人税が課税されるが、すべての収益に対し課税されるわけではない。法人税法には、代表者又は管理者の定めのある人格のない社団や財団(例:同窓会、町内会、PTA)の収益に関し、次の場合に限定して納税義務を課している(法法4①ただし書き)。受贈益に対しては法人税が課されない(所法4、方法的)。

                1. 34種類の「収益事業」を行う場合
                2. 法人課税信託の引受けを行う場合
                3. 退職年金業務等を行う場合

                資産家が実質的に子どもの支配下にある代表者又は管理者の定めのある人格のない社団や財団に対し多額の資産を贈与しても、法人税は課税されない。人格なき社団や財団は容易に作ることができるので、贈与税が課税されないとなると、法人税も贈与税も課税されることなく財産を子どもの支配下に移転することが可能となる。このような租税回避が行われることを防止するため、相続税法は、個人が代表または管理者の定めのある人格なき社団や財団に財産を贈与した場合には、人格なき社団や財団を無条件に個人とみなして贈与税の納税義務者としている(相法66①)。贈与を受けた財産に対し法人税が課税されることがあれば、二重課税排除のため、相続税法施行例の定めるところにより、人格なき社団や財団に課されるべき法人税及び法人事業税等の額に相当する額は贈与税から控除することとされている(相法66⑤)(2)

                (2)平成20年12月1日前に行われた贈与については、人格のない社団・財団の各事業年度の所得の計算上益金の額に算入されているときは、贈与税は課税されない(個人とみなされない)こととされていた。改正の趣旨は、贈与税の最高税率50%と法人税の最高税率40%の差を利用した租税回避の防止である。

                人格なき社団・財団を設立するために財産の提供があった場合についても、同様の取り扱いとなる(相法66②)。

                人格なき社団・財団と贈与税
                図表Ⅰ-4 人格なき社団・財団と贈与税

                人格のない社団・財団に財産の贈与をした者が2名以上あるときは、贈与により取得した財産について、贈与者ごとに、贈与をした者の核一人からのみ取得したものとみなして贈与税の計算をする(相令33②)。

                収益事業とは

                収益事業とは、次の34種類の事業で、継続して事業場を設けて営まれるものをいう(法法2⑬、法令5①)。

                1.物品販売業、2.不動産販売業、3.金融貸付業、4.物品貸付業、5.不動産貸付業、6.製造業、7.通信業、8.運送業、9.倉庫業、10.請負業、11.印刷業、12.出版業、13.写真業、14.席貸業、15.旅館業、16.料理店業その他の飲食店、17.周旋業、18.代理業、19.仲立業、20.問屋業、21.鉱業、22.土石採取業、23.浴場業、24.理容業、25.美容業、26.興行業、27.遊戯所業、28.遊覧所業、29.医療保険業、30.技芸教授又は学力の教授若しくは公開模擬学力試験を行う事業、31.駐車場業、32.信用保証業、33.無体財産権の提供等を行う事業、34.労働者派遣業。

                上記に掲げる事業であっても、それが公益社団法人・財団法人が行う公益目的事業に該当するものである場合、公益法人等が行う事業のうち身体障害者、生活扶助者、知的障害者、精神障害者、老人、寡婦などのためのもの等所定の要件を満たすものは、収益事業から除外されている(法令5②)。

                「代表者又は管理者の定めのある」人格なき社団・財団とは

                法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができる(民訴29)。相続税法の規定は訴訟当事者能力のある人格なき社団・財団を個人とみなしているわけである。

                人格なき社団について判例は、「団体としての組織をそなえ、多数決の原則が行われ、構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、その組織によって代表の法法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定しているものでなければならない」としている(最判昭和39年10月15日民集18巻8号1671頁)。「権利能力なき財団」については、「個人財産から分離独立した基本財産を有し、かつ、その運営のための組織を有していること」を必要とするとしている(最判昭和44年11月4日民集23巻11号1951頁)。

                ハ 持分の定めのない法人が個人から贈与を受けたとき

                持分の定めのない法人(持分の定めのある法人で持分を有する者がいないものを含む。以下同じ。)は、特定の場合に個人とみなされ贈与税の納税義務者となる(相法66④⑥)。特定の場合とは、贈与者等の親族その他これらの者と特別の関係がある者の贈与税、相続税の負担が不当に減少する結果となると認められるときをいう(相法66④⑥、相令33③)。持分の定めのない法人を設立するために財産の提供があった場合についても同様の取り扱いとなる(相法66④)。

                個人が持分の定めのない法人に対し財産を贈与したり、設立資金を贈与し場合には、持分の定めのない法人は法人税の納税義務者であるから、原則として贈与税が課税されることはない。この仕組みを利用して、個人が詩的に支配している持分の定めのない法人に贈与を行い、贈与された法人の財産を贈与者の親族や特別関係者が私的に利用するなど法人から特別の利益を受けることができるようにして実質的に相続税や贈与税の租税回避を行うことが可能である。このようなことに鑑み、贈与者等の親族その他特別関係者の贈与税、相続税が不当に減少するときは持分の定めのない法人を個人と見なして贈与税を課税することとされている(昭和39年直審(資)24「12」)。

                相続税法で、持分の定めのない法人が個人とみなされるときは、相続税が課税されるが、(相続税法で個人とみなされたときも)法人格を有することに変わりはないので、遺贈資産は時価で譲渡されたものとみなされる(所法59①)。含み益のある資産ならば譲渡所得課税の対象となる。

                持分の定めのない法人が贈与税の納税義務者となる場合の具体例図
                図表Ⅰ-5 持分の定めのない法人が贈与税の納税義務者となる場合の具体例図
                (参考:「平成20年改正税法のすべて」p.458)
                (イ)持分の定めのない法人とは

                持分の定めのない法人とは、一般社団法人、一般財団法人、持分の定めのない医療法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人、宗教法人など残余財産の分配請求権や払戻請求権がない法人や、定款等に社員等が残余財産の分配請求権や払戻請求権を行使することができる旨の定めはあるが、そのような社員等が存在しない法人をいう。法人税法2条6号に規定する公益法人等も持分の定めのない法人に含まれる。

                持分の定めのない法人とは

                1. 定款、寄付行為若しくは規則(これらに準ずるものを含む。以下2において「定款等」という。)又は法令の定めにより、当該法人の社員、構成員(当該法人へ出資しているものに限る。以下2において「社員等」という。)が当該法人の出資に係る残余財産の分配請求権又は払戻請求権を行使することができない法人
                2. 定款等に、社員等が当該法人の出資に係る残余財産の分配請求権又は払戻請求権を行使することができる旨の定めはあるが、そのような社員等が存在しない法人

                (平成20年7月25日付 資産課税課情報 第14号 13)

                (ロ)不当に減少する結果と認められるときとは

                贈与者等の親族その他これらの者と特別の関係がある者の贈与税、相続税の負担が不当に減少する結果となると認められるときとは、持分の定めのない法人に対する財産の贈与または遺贈があった場合に、贈与または遺贈のときにおいて、法人の役員等の構成・機能、収入・支出の経理、財産の管理状況、解散のときの残余財産の帰属、その他の定款・寄付行為の定め等からみて、贈与者・遺贈者またはその同族関係者が提供または贈与された財産を私的に支配し、その使用、収益を事実上享受し、あるいはその財産が最終的にこれらの者に帰属するような状況にあるときをいう。財産の贈与や遺贈がない場合に比べ、同族間関係者らの相続税または贈与税の負担が減少する結果となるといい得れば足りる。結果的にいかなる者にどれほどの増税等の負担の減少をきたしたかを確定する必要はないとされている(昭和44.9.30東京地裁、税資76号906頁)。相続税法施行令33条3項は、次の適正要件を欠く場合と定めている。

                1. 運営組織が適正であり、特定の一族の支配を受けていないこと
                2. 贈与者、設立者、役員等に特別の利益を与えないこと
                3. 法人が解散したときに、残余財産を国等に寄付する旨の定めが定款等にあること
                4. 法令違反、公益に反する事実がないこと

                上述の1.運営組織が適正であること及び2.特別の利益を与えないことの二点につき、通達は詳細な規定を置いている(個別通達:昭和39年6月9日付直審(資)24、直資77、平成20年7月8日付課資2-8改正「贈与税の非課税財産(公益を目的とする事業の用に供する財産に関する部分)及び公益法人に対して財産の贈与等があった場合の取扱いについて(以下、「昭和39年直審(資)24」という)」)。

                これを図示すると、図表Ⅰ-6となる。

                図表Ⅰ-6 持分の定めのない法人が贈与税の納税義務者となるとき

                原則:法人税の納税義務者
                右の場合、贈与税の納税義務者となる法令:贈与者等の親族その他これらのものと特別の関係のあるものの贈与税、相続税の負担が不当に減少する結果となると認められるとき(相法66④⑤)
                適正要件施行令:不当に減少する結果となるときとは、次の適正要件から外れた運営組織や事業運用がなされた場合をいう(相令33③)
                ①運営組織が適正であり、特定の一族の支配を受けていないこと
                ②贈与者、設立者、役員等に特別の利益を与えないこと
                ③法人が解散したときに、残余財産を国等に寄付する旨の定めが定款等にあること
                ④法令違反、公益に反する事実がないこと
                通達:運営組織が適正であることとは、贈与のあったときだけでなく将来においても運営組織が適正でなければ組織が私的に支配され、贈与税、相続税の負担が不当に減少する結果となるとの観点から、①定款、寄付行為、規則などに理事及び監事の定数、理事会及び社員総会の定足数など一定の事項が定められていること(注)、②事業運営及び役員等の選任等が定款等に基づき適正に行われていること及び③事業が社会的存在として認識される程度の規模を有していることであり、特別の利益を与えることとは、贈与等をした者、法人の設立者、社員若しくは役員等及びこれらの親族、特殊関係者、同族法人等一定の範囲の者が法人所有財産の私的利用、余裕金の運用、有利な条件での金銭の貸付、無償又は低廉譲渡などをすることとされている(昭和39年直審(資)24、資産課税課情報第14号)。
                (注)通達は持分の定めのない法人を次の三類型に分け、必要的定款記載事項を詳細に定めている。
                ①一般社団法人
                ②一般財団法人
                ③学校法人、社会福祉法人、更生保護法人、宗教法人その他の持分の定めのない法人
                (ハ)一般の篤志家からの贈与等があった場合の判定について

                財産の贈与等(寄付)の仲には、座資産の贈与等を受ける法人の運営と全く関係のない篤志家からなされるものもあり、このような場合には、その法人からその贈与をした篤志家に特別の利益を与えることはおよそ考えられない。

                そこで、次の要件を二つとも具備している場合は、上記(ロ)の適正要件の①「運営組織が適正であり、特定の一族の支配を受けていないこと」を満たさないときであっても、②から④までの要件を満たしているときは、「相続税または贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められるとき」に該当しないものとして取り扱うこととされている(昭和39年直審(資)24、平成20年7月5日:資産課税課情報14号)。

                • 贈与者が贈与を受けた法人の理事、監事、評議員その他これらの者に準ずるもの及びこれらの者の親族と贈与者間には親族関係等の特殊関係がない場合
                • これらの者が、法人の財産の運用及び事業の運営に関して私的に支配している事実がなく、将来も私的に支配する可能性がないと認められる場合
                (ニ)公益事業用財産の贈与税の非課税規定の不適用について

                持分の定めのない法人が個人とみなされるときは、事業運営が特定の者や一族の支配に服し、特別関係者に特別の利益を与える場合に該当している場合である。したがって、同様の欠格事由を定める公益事業用財産の贈与税の非課税規定の適用要件に該当する余地はない(相法21の3、昭和39直審(資)24)。

                (ホ)判定の時期等

                相続税法66条4項(持分の定めのない法人に対する課税)の規定を適用すべきかどうかの判定は、贈与等の時を基準としてその後に生じた事実関係をも勘案して行うのであるが、贈与等により財産を取得した法人が、財産を取得したときには適正要件を満たしていない場合においても、当該財産に係る贈与税の申告書の提出期限又は更正若しくは決定の時までに、当該法人の組織、定款、寄付行為又は規則を変更すること等により同項各号に掲げる要件を満たすこととなったときは、当該贈与等については法66条4項の規定を適用しないこととして取り扱われる(昭和39直審(資)24「17」)。

                図表Ⅰ-7 贈与税の納税義務者一覧表

                贈与者受贈者所得に対する課税贈与税の納税義務者に該当するかその他
                個人個人受贈益は所得税の課税対象とならない(相法9①十五)贈与税の納税義務者である
                法人法人税を課税×贈与税の納税義務者とはならない受贈益による株価上昇分の経済的利益に対し、株主に対し贈与税を課税(法相9、相基通9-2)
                代表者又は管理者の定めのある人格なき社団・財団
                (例)同窓会・自治会・PTAなど
                原則非課税(34種類の収益事業から生ずる所得に対し課税)無条件に個人とみなされ贈与税の納税義務者となる
                持分の定めのない法人 原則非課税(34種類の収益事業から生ずる所得に対し課税) 原則×、例外○左の規定の適用がある場合を除き、持分の定めのない法人(その施設の利用、余裕金の運用、解散した場合における財産の帰属等について設立者、社員、理事、監事若しくは評議員、その法人に対し贈与若しくは遺贈をした者など(注)に対して特別の利益を与えるものに限る。)に対して財産の贈与又は遺贈があった場合において、その法人から特別の利益を受ける者が、その財産の贈与又は遺贈により受ける利益の価額に相当する金額をその財産を贈与又は遺贈した者から贈与又は遺贈により取得したものとみなして相続税又は贈与税を課税することとされている(相法65)。
                (注)これらの者の親族その他これらの者と特別の関係がある者を含む。
                贈与税の親族その他これらの者と特別の関係がある者の相続税又は贈与税の負担が不当に減少する結果と認められるときは、個人とみなされ贈与税の納税義務者となる(相法66①④、相令31①)

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                  負担付遺贈とは、受遺者に対し一定の給付をなすべき義務を負担させる遺贈である(民法1002)。負担はそれが履行されるまで遺贈の効力を停止させるものではないから停止条件ではないし、負担の不履行によって遺贈の効力を当然に消滅させるものではないから解除条件でもなく、遺贈の付款たる性質を有する。包括遺贈でも特定遺贈でも負担を付すことができる。負担の利益を受ける者にも制限はなく、相続人でも第三者でも事情によっては不特定多数の一般公衆でもよい。

                  負担の利益を得る者は負担の履行を請求する直接の権利を取得するものではないから負担の履行を請求する権利は相続人又はその代理人である遺言執行者だけが有する(民法1027)。負担付遺贈の効力は、一般の遺贈と同様に遺言者の死亡の時から生ずる(民法985①)。負担が履行されなくとも遺贈が当然に無効とはならない。受遺者が負担を履行しないときは、相続人又は遺言執行者は、履行請求の訴えを起こし確定判決を得て履行を催告することもできるが、それとは別に、期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないときは、遺言の取消しを求めて家庭裁判所に請求することができる(民法1027、家審9①甲類38号)(1)

                  (1)『親族法相続法講義案(六訂再訂版)』p.350以下。

                  負担の内容は必ずしも金銭的価値のあるものでなくても良いが、法律上の義務でなければならない。遺贈財産を上回るような負担付遺贈は無効である。負担が不能、不確定、不法であるときは無効となる。負担が無効となるときに遺言自体の効力がどうなるかは遺言書の解釈(遺言者の意思解釈)の問題である。遺言者において負担が無効になるなら遺贈を行わなかったであろうと認められるときは、遺贈そのものも無効と解することになる。負担だけが無効と認められる場合は、遺贈は負担のない遺贈となる。受遺者は負担付遺贈を放棄できる(民法986)。受遺者が遺贈を放棄したときは、遺言に別段の意思表示がない限り、受益者が自ら受遺者となることができる。この場合の受遺者も遺贈の承認、放棄をすることができる(民法1002②)。

                  受遺者は遺贈の承認により目的物を取得すると同時に負担の履行義務を負う。受益者は相続人でも第三者でもよい。邦人や人格なき社団・財団でも受益者となることはできる。

                  受遺者は遺贈により財産を取得したのであるから相続税の納税義務者となる(相法1)。受遺者の相続税の課税価格は、負担付遺贈により取得した財産から負担を控除した価額となる(相基通11の2-7)。負担付遺贈に基づく負担の利益が受益者に帰属するときはその受益者が負担に相当する金額を遺贈によって取得したものとして相続税が課税される(相基通9-11)。

                  受遺者は負担付遺贈により取得した財産の価額(負担がなかったものとした場合における評価額)を相続税の申告書第11表≪相続税がかかる財産の明細≫に記載し、負担額は11表にマイナス表示して申告書を作成する(負担額は相続債務ではないから13表に記載しない。)。遺贈目的物の評価額は相続税評価額である(2)

                  (2)負担付贈与通達の適用はない。

                  マイナス表示した負担額は、受益者が取得した財産として11表に課税財産として記載する(相基通9-11)。負担が特定の者の利益に帰するときは、受益者の態様により次のとおりとなる。

                  • 個人は前述の通り相続税の納税義務者となる。
                  • 人格なき社団・財団は相続税の納税義務者となる。
                  • 国又は地方公共団体は相続税の納税義務者とならない(法人税も非課税)。
                  • 持分の定めのない法人は相続税の納税義務者ではないが、遺贈者の親族及びその特別関係者らの相続税が不当に減少するときは個人とみなされ相続税が課税される(法人税等は控除)。
                  • 営利法人の場合は法人税が課税される(法法22②)。営利法人に対する遺贈により株式又は出資の価額が増加した場合には株主等に相続税が課税される(相法9、相基通9-2)。

                  負担付遺贈において、特に注意が必要なのは個人に対する負担付遺贈が特定遺贈である場合には、譲渡所得が生ずることがある点である。

                  意外に思われる方が多いであろうが、遺贈は所得税法33条《譲渡所得》に規定する「資産の譲渡」に該当する。負担付遺贈が特定遺贈である場合、負担付贈与と同様に「負担部分が遺贈者及び相続人に対して何らかの経済的利益をもたらすもの」であるならば、負担に相当する経済的利益は所得税法の収入金額にあたり、譲渡所得の課税対象となるのである。

                  所得税法33条に規定する「譲渡」とは、通常、法律行為による所有権の移転と解されているので、相続のように一定の事実(相続)に基づいてその効果(権利、義務の包括的承継)が生ずるものは含まれないが、贈与、遺贈による資産の移転は同条に規定する「譲渡」に該当する(3)。遺贈は、遺贈者の死により効力を生ずるが、相続のように一定の事実に基づいて権利、義務の承継が自動的に生ずるものではないので、遺贈そのものが所得税法の規定する譲渡に該当するのである。

                  (3)『所得税基本通達逐条解説(平成21年版)』p.644。

                  負担付遺贈におけるk負担が遺贈者(資産の譲渡者)及び相続人に対し経済的利益をもたらす場合は、その経済的利益を収入金額とする「資産の譲渡」に該当するのである(所法33、36①)。

                  時価100の土地建物甲を遺贈するが、負債40を負担せよという負担付遺贈において、土地・建物甲の取得価額が10である場合、10で取得したものを40で譲渡すると30の譲渡所得が発生する。遺贈者に生ずる譲渡所得であるから準確定申告が必要となる。また、相続税評価額(仮に土地・建物甲の相続税評価額も100であるとすると)100から40を控除した60が相続税の課税対象となる。

                  【参考】

                  個人に対する負担付遺贈における譲渡所得課税は、所得税法33条《譲渡所得》と36条《収入金額》の規定により行われる。無償の譲渡を時価で譲渡したとみなす所得税法59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》1項1号を考慮する余地はない。同条は法人に対するもの及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものに限定されている。

                  なお、個人に対する対価を伴わない単純な遺贈では、遺贈財産全てについて相続税が課税される(相法1の3)ので、受遺者は遺贈者の取得時期と取得価額を引き継ぐ(所法60①)。これに対し、負担付遺贈では、原則として受遺者(実質譲受者)は支払った対価で当該資産を取得したのであるから、実際に支払った金額が当該資産の取得価額となる。ただし、譲渡価額(負担付遺贈の負担額)が、時価の二分の一未満であり、かつ、遺贈者の取得価額を下回る場合(譲渡損失が計上される場合)は、譲渡者(遺贈者)の譲渡損失はなかったものとみなされ、譲渡者(遺贈者)の取得時期と取得価額は譲受者(受遺者)に引き継がれる(所法60①、所基通60-1)。

                  ■所得税法59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》

                  次に掲げる事由により居住者の有する山林(事業所得の基因となるものを除く。)又は譲渡所得の基因となる資産の移転があった場合には、その者の山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その事由が生じたときに、その時における価額に相当する金額により、これらの資産の譲渡があったものとみなす。

                  一 贈与(法人に対するものに限る。)又は相続(限定承認に係るものに限る。)若しくは遺贈(法人に対するもの及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。)

                  二 著しく低い価額の対価として政令で定める額による譲渡(法人に対するものに限る。)

                  2 居住者が前項に規定する資産を個人に対し同項第二号に規定する対価の額により譲渡した場合において、当該対価の額が当該資産の譲渡に係る山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算上控除する必要経費又は取得費及び譲渡に要した費用の額の合計額に満たないときは、その不足額は、その山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算上、なかったものとみなす。

                  ■所得税法60条《贈与等により取得した資産の取得費等》

                  居住者が次に掲げる事由により取得した前条第一項に規定する資産を譲渡した場合における事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その者が引き続きこれを所有していたものとみなす。

                  一 贈与、相続(限定承認に係るものを除く。)又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものを除く。)

                  二 前条第二項の規定に該当する譲渡

                  2 居住者が前条第一項第一号に掲げる相続又は遺贈により取得した資産を譲渡した場合における事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その者が当該資産をその取得の時における価額に相当する金額により取得したものとみなす。

                  ■法人に対する遺贈では…

                  法人に対する特定遺贈は無償の資産の移転であるが、遺贈者が譲渡したものとみなされ遺贈者(被相続人)に譲渡所得が発生する(所法59①)。負担付遺贈は負担部分が対価となる(所法33)。遺贈や負担付遺贈は被相続人に帰属する譲渡所得であるから、被相続人の生活の本拠である自宅を売却したときは居住用資産の譲渡の特別控除を適用できる可能性がある(措法35)が、遺言による換価分割は相続人がいったん遺産を取得して売却するので取扱いが異なることに注意が必要である。


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