動産の相続税評価の方法
動産は一括して評価されたり、目的物の性質によって課税されなかったり、寄付により課税を免れるなど、不動産と異なり様々な扱いがされます。
日常利用するコーヒーカップから高価な宝石、美術品、自動車や事業用の機器まで、すべて動産として取り扱われることから、相続税の計算では、一世帯ごとに評価することが認められます。
動産の評価額の計算方法は調達価格を基準とします。調達価格とは課税時期に財産を現況で取得する際の価格です。調達価格が不明の場合は、新品小売価格から経過年数による減価の額で算出します。減価方法は定率法です。
仏壇仏具や神具、その他の祭祀財産については課税されません。国民感情上、課税することがなじまないと判断されるためです。
また、歴史的価値のある美術品などで相続税の申告期限(被相続人の死亡の翌日から起算して10ヶ月以内)に、国や地方公共団体・特定の公益法人に寄付をした財産も課税されません。
株式の評価方法
相続税等の算定にあたって、特別なカテゴリーに分類されるものとして株式があります。
株式は会社法改正や保管振替制度により新規で株券として発行されることは少なくなり、相続税法では、上場株式と気配相場等のある株式、取引価格のない株式に分類され、それぞれ異なった評価算定をされることとなっています。
財産は法律的には、不動産・動産・債権・無体財産に分けられます。
不動産は土地及びその定着物を指し、土地と建物は別の不動産として認識されます。
債権は他者に一定の行為を請求する権利であり、民法に詳細な規定があります。
無体財産は著作権などの知的財産権を指し、民法には規定がなく著作権法などに定められた特別な財産権としての扱いを受けます。
動産はそれ以外のすべての有体物を指し、身の回りにある家財など、手に触れることができるものはすべて動産です。