側方路線影響加算率はどんな角地でも同じ率?

角地加算率の算定の基礎は典型的な角地を念頭に置いて考えましょう。

地区区分の判定ができれば、次は各種の画地調整率を路線価に乗じて評価額を計算します。

次のような典型的な角地を前提として、角地加算率が決められています。

【図14】角地の典型形

角地の典型形

角地の場合は、標準的宅地から比較すると、人・車両の出入りが便利、日照・風通しが良くなる、通行量が多い、建設基準法上有利になる等の理由で、価格のプラス要因となります。

側方影響加算率は、いわゆる四つ角にある土地や、いわゆるT字路の内側にある角地等、複数系統の道路等に面している角地に適用されます(なお、準角地は一系統の路線内側にある角地で、加算率が異なっています。)。

【表4】側方路線影響加算率表

地区区分加算率(準角地の場合)
ビル街地区0.07(0.03)
高度商業地区
繁華街地区
0.10(0.05)
普通商業・併用住宅地区0.08(0.04)
普通住宅地区
中小工場地区
0.03(0.02)
大工場地区0.02(0.01)

評基通の側方路線影響加算は【図14】のような角地を想定した加算率ですので、【図15】のように側方路線に宅地の一部が接している角地の場合には、その加算率を調整する必要があります。

整形地の一部が接している場合

【図15】整形地の一部が接している場合

整形地の一部が接している場合

(計算例)

200,000円(正面路線価)×0.98(奥行距離30mに対応する奥行価格補正率)=196,000円

側方路線影響加算額

150,000円(側方の路線価)×0.99(奥行距離25mに対応する奥行価格補正率)×0.03(角地の側方路線影響加算率)×15m(側方路線との接面距離)÷(15m(側方路線との接面距離)+15m(側方路線との非接面距離))=2,227円

対象土地の評価額

(196,000円+2,227円)×750㎡=148,670,250円

不整形地の一部が接している場合

【図16】不整形地の一部が接している場合

不整形地の一部が接している場合

(計算例)

正面路線に対応する奥行距離による奥行価格補正
正面路線に対応する奥行距離

500㎡(評価対象地の地積)÷20m(正面路線の間口距離)=25m<30m(想定整形地の奥行距離)
200,000円(正面路線価)×0.99(奥行距離25mに対応する奥行価格補正率)=198,000円

側方路線影響加算額の計算
側方路線影響加算を行う場合の奥行距離

500㎡(評価対象地の地積)÷20m(側方路線の間口距離)=25m≦25m(想定整形地の奥行距離)
150,000円×0.99(奥行距離25mに対応する奥行価格補正率)×0.03(角地の側方路線影響加算率)×20m÷(20m(側方路線との接面距離)+10m(側方路線と想定整形地の接面距離との差))=2,970円

評価対象地の評価額

198,000円+2,970円(側方路線影響加算額)=200,970円
200,970円×500㎡(評価対象地の地積)=100,485,000円