借家人の権利は地下鉄に及ぶ?
借家権も区分地上権の価額に影響を与えることはありません。
区分地上権が設定されている貸家建付地の評価は、次の算式によって評価します。
(計算)
- 自用地価額 2億円
- 借地権割合 70%
- 借家割合 30%
- 区分地上権割合 30%
- 賃貸割合 80%
- 区分地上権の目的となっている宅地の価額
200,000,000円(自用地価額)×(1-30%(地上権割合))=140,000,000円…①
区分地上権はその土地の空中又は地下の一定範囲についての利用を目的として設定されるものですから、その土地に借地権が設定されているか否かにかかわらず、土地利用制限率(地上権割合)によって評価します。 - 貸家建付地の価額
140,000,000円(①)-140,000,000円(①)×70%(借地権割合)×30%(借家権割合)×80%(賃貸割合)=116,480,000円
借家人が有する権利は、賃貸借契約の当事者である建物所有者の敷地に対する権利の範囲内であると解されていますので、地下鉄までは及びません。
なお、高圧架空電線の架設を目的とするような区分地上権に準ずる地役権が設定されている宅地が貸家建付地として利用されている場合にも、地役権の目的となっている宅地の価額を基に同様に評価します。