立体駐車場のために貸している土地は、貸地評価?
地上権に準ずる賃借権やそれ以外の賃借権の目的となっている雑種地の評価では、地上権の割合と異なり、残存期間15年超は20%となっているので注意して下さい。
貸し付けられている雑種地は、賃借権の価額を控除して評価します。
雑種地の自用地としての価額から控除される賃借権価額は、原則として、個々の賃借権について、その賃貸借契約内容、利用状況等を勘案して評価します。ただし、その賃借権価額が、賃借権の種類に応じ法定地上権割合を利用して評価した金額より低い場合には、例外的に法定地上権割合を利用して評価した賃借権価額を控除して評価することができます。賃借権の種類は、地上権に準ずる堅固な構築物の所有を目的とするものから、単に資材置場等として使用するものを区分して、後者は前者の2分の1の割合で評価します。
(注1)その賃借権を地上権に準ずる権利として評価するかは、賃借権の登記の有無、賃借権の認定の対価として権利金その他の一時金の授受の有無、構築物の所有を目的とする賃借権であるか否か等により判断することになります。
(注2)被相続人が同族関係者になっている同族会社に対し雑種地を貸し付けている場合には、評基通86(1)ただし書きに基づく賃借権の評価はできません。
設例1:法定地上権に準ずる権利として評価する場合
- 構築物 立体駐車場
- 自用地価額 50,000,000円
- 賃借権の残存期間 10年
- 賃借権の契約期間 20年
- 借地権の割合 60%
- 通常の賃借権価額 4,000,000円
- 貸し付けられている雑種地に係る賃借権の評価
法定地上権割合に基づく賃借権の価額=50,000,000円(自用地価額)×100分の10(残存期間10年に応ずる法定地上権割合(10%))=5,000,000円
①4,000,000円(通常の賃借権価額)<②5,000,000円(法定地上権割合に基づく賃借権の価額) - 貸し付けられている雑種地の評価
自用地価額 50,000,000円-5,000,000円(上記①と②のいずれか高い金額)=45,000,000円
設例2:地上権に準ずる権利以外の権利として評価する場合
- 構築物 アスファルト舗装を行った駐車場
- 自用地価額 50,000,000円
- 賃借権の残存期間 10年
- 賃借権の契約期間 20年
- 借地権の割合 60%
- 通常の賃借権価額 1,000,000円
- 貸し付けられている雑種地に係る賃借権の評価
法定地上権割合に基づく賃借権の価額=50,000,000円(自用地価額)×100分の10(残存期間10年に応ずる法定地上権割合×1÷2(5.0%))=2,500,000円
①1,000,000円(通常の賃借権価額)<②2,500,000円(法定地上権割合に基づく賃借権の価額) - 貸し付けられている雑種地の評価
自用地価額 50,000,000円-2,500,000円(上記①と②のいずれか高い金額)=47,500,000円
残存期間 | 割合 |
5年以下のもの | 5% |
5年超10年以下のもの | 10% |
10年超15年以下のもの | 15% |
15年超のもの | 20% |