海外財産の評価と課税
非居住無制限納税義務者の拡大
最近、生まれた時から海外にお住まいで日本語を話せない相続人や受贈者が増えています。
被相続人・遺贈者・贈与者、相続人・受遺者・受贈者の全員が日本国内に住んでいなくても、日本国内の財産を相続すると我が国の相続税が課税されます。この時、被相続人・遺贈者・贈与者、相続人・受遺者・受贈者のいずれかが過去10年以内に日本に住所があれば、全世界課税とされます。
相続税の申告期限は、亡くなられたことを相続人・受贈者が知った日の翌日から10か月以内に行わなければなりません。海外居住相続人・受遺者も同様です。海外に推定相続人である子どもや孫がいる方は、いざというときにあわてないように、事前の準備をお勧めします。
税理士法人日本税務総研は、海外に所在する財産評価をお受けしています。米国には提携事務所を有し、ベトナム、シンガポールなどにも提携先を有しています。英語を話すスタッフも常駐しております。お気軽にご相談下さい。
日本に居住している人が死亡した場合、相続人が外国人でも、海外にいても全世界課税
課税時期に納税義務者である相続人・受遺者又は受贈者が日本国内に居住していれば、財産の所在を問わず我が国の相続税法が適用されます。
- 平成25年4月1日以降、日本に居住している人が日本で死亡した場合、その人が外国人であっても、家族が海外に住んでいても日本国内の財産だけでなく、海外の自宅や金融資産などの国外財産に対し日本の相続税が課せられるのが原則です。(いわゆる全世界課税)
- 日本で就労する人の親が死亡し、海外の財産を相続した場合にも、その国の財産について日本の相続税が課せらるのが原則です。
例外)日本に居住し働いている外国人がビジネスビザ等で国内に住所を有している期間が課税時期前15年以内のうち、合計10年以下の滞在ならば、日本で居住している間に死亡しても、国外財産について課税対象としないこととされました。(平成29年4月1日以降の相続・遺贈・贈与に適用) - 贈与者が課税時期に日本国内に居住していれば、贈与した相手が外国籍でも、贈与する財産の所在を問わず贈与税の課税対象になります。
海外に移住される場合の税務
海外に移住なさる場合の出国に伴う所得税の申告などお手伝い致します。有価証券を所有されている方はいわゆる出国税が課税されるおそれがあります。思わぬ税負担が生じないためにも、移住計画を練っていらしゃる時点で早期にご相談ください。
国外財産調書
国外財産調書作成業務
国外財産調書は海外の財産の評価を行う必要があります。資産税の知識のある事務所に依頼することがスムーズな選択です。
法人税や所得税の申告と合わせてお受けいたします。
税理士法人日本税務総研では、国外財産調書の提出のお手伝いに加え、必要に応じ、相続や相続税対策アドバイザリー業務を受け賜ります。
ペナルティ等
その年の12月31日において、総額5,000万円を超える国外財産を有する人は、国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した国外財産調書を、翌年の3月15日までに、所轄税務署長に提出しなければなりません。
国外財産調書の提出制度においては、適正な提出をしていただくために次のような措置が講じられています。
- 国外財産調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置
国外財産調書を提出期限内に提出した場合には、国外財産調書に記載がある国外財産に関する所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」といいます。)又は相続税の申告漏れが生じたときであっても、その国外財産に関する申告漏れに係る部分の過少申告加算税等について、5%軽減されます。 - 国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置
国外財産調書の提出が提出期限内にない場合又は記載漏れがある場合(重要な事項の記載が不十分と認められる場合を含みます。)に、その国外財産に関する所得税等の申告漏れ(死亡した方に係るものを除きます。)が生じたときは、その国外財産に関する申告漏れに係る部分の過少申告加算税等について、5%加重されます。 - 正当な理由のない国外財産調書の不提出等に対する罰則
国外財産調書に偽りの記載をして提出した場合又は国外財産調書を正当な理由がなく提出期限内に提出しなかった場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されることがあります。ただし、提出期限内に提出しなかった場合については、情状により、その刑を免除することができることとされています。
相続税の申告報酬
海外に相続人がいらっしゃる場合は、財産の多寡にかかわらず基本プランの報酬を受け賜ります。
提携海外法律事務所・会計事務所による海外での申告
我が国の相続税申告と合わせて海外での税務申告が必要になる場合、提携海外事務所又は大手弁護士法人と共同してご対応致します。
(外国の税務申告は外国の法律事務所又は会計事務所が行います。)
気長な租税回避の方法
- 親と子の双方が海外にオーストラリアやシンガポールなど相続税のない国に移住する。
- 日本国内にある財産を国外に移す。
預金などは邦銀の海外支店に口座を移すだけで国外財産を国外財産とすることができる。 - 海外移住後10年を経過した後に、親から子へ海外にある財産を贈与する。
- 贈与後、日本に戻りたければ帰国する。