JTMI 税理士法人 日本税務総研

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  • 不動産を遺産相続する場合の注意点

    不動産を遺産相続する場合の注意点

    不動産を遺産相続する場合の注意点

    不動産の遺産相続は預貯金や現金化している相続財産の相続よりも注意が必要です。
    不動産は分割しにくく、評価額の算出も手法次第で変わることがあるからです。

    不動産の分割方法

    • 現物分割
      不動産をそのまま引き継ぐ方法です。土地を法定相続割合と同じ割合に「分筆」して各相続人が取得したりします。ただし分筆できるのは「土地」のみであり「建物」の分筆はできません。相続手続きが簡単になるメリットがありますが、相続人間で不公平になりやすい点が問題です。
    • 換価分割
      不動産を売却し売却金を分割して相続する方法です。不動産を売却してしまうので「不動産評価」で相続人たちがもめるリスクはありません。ただし、思っていたよりも安くでしか売却できないことがあります。また、売却代金の相続割合に応じて、各人毎に譲渡所得の確定申告を行う必要が生じます。
    • 代償分割
      相続人の内の一人が不動産を相続し、他の共同相続人には相続割合相当額の代償金を支払う方法です。理論上は公平な分け方ができますが、「不動産評価」でもめることがあります。
    • 共有
      各相続人が法定相続割合に応じた「共有持分」を取得してそのまま全員で共有状態にします。管理処分には相続人全員の合意が必要になります。時間が経って持分権者が亡くなり相続が発生した場合、持分の分割が更に増え、権利者の特定が難しくなることがあります。

    相続が始まった時点で、相続人と相続財産である不動産の状況をしっかり考慮して分割方法を決めます。


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    • 相続手続きを代理人が行う方法

      相続手続きを代理人が行う方法

      相続手続きを代理人が行う方法

      相続人の中に未成年者がいる時や、認知症や精神障害者の相続人が遺産分割協議に参加できない時に、特別代理人の選任申立手続きを行います。

      未成年者の親権者が共同相続人で、その子とともに遺産分割の協議に参加する場合は特別代理人の選任が必要です。

      親権者が共同相続人としてその遺産分割に参加しない場合は、法定代理人である親権者の同意のみで足ります。

      子が2人以上いる場合、その1人の子と他の子との利益が相反する場合は、子のうちの1人を除き、特別代理人の選任が必要です。

      家庭裁判所へ特別代理人の申請を行い選任されると、他の相続人と遺産分割協議をおこない、遺産分割協議がまとまれば、遺産分割協議書に署名捺印をおこないます。


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      • 金融機関の相続手続きを郵送で

        金融機関の相続手続きを郵送で

        金融機関の相続手続きを郵送で

        金融機関の相続手続きは、被相続人の取引していた銀行に足を運んで手続きするのが原則です。

        遠方の場合や仕事が忙しくて取引店まで行くことが出来ない方は、金融機関の相続手続きを郵送で行うことができます。必要書類を揃えて郵送しましょう。

        投資信託など預金以外の相続の手続きは、これとは異なります。

        金融機関の相続手続きの流れ

        金融機関の相続手続きが完了するまでの流れは、概ね以下のとおりです。

        1. 手続の申し出
          • 口座名義人が亡くなった事実を金融機関に連絡します。取引内容、相続の状況に応じて具体的な相続の手続が案内されます。 相続の連絡と同時に被相続人の口座は凍結されます。
        2. 必要書類の準備
          • 必要書類は金融機関の相続手続きを滞りなく行う大きなポイントです。遺言書の有無など、相続の状況次第で準備しなければならない書類が異なりますので、十分注意します。
        3. 書類の提出
          • 準備した書類と、依頼内容を記入して相続人の署名捺印をした取引金融機関所定の相続手続書類を、金融機関に提出します。
        4. 払戻し等の手続
          • 相続手続書類を提出した後、金融機関で払戻し等が行われます。 手続は数日かかる場合があります。

        金融機関の相続手続きに必要な書類

        相続の一般的なケースで被相続人の金融機関の相続手続きに必要な書類は以下の通りです。

        遺言書が有る

        1. 遺言書
        2. 被相続人の戸籍謄本または全部事項証明(死亡の事実が確認できるもの)または法定相続情報一覧図
        3. 預金を相続する相続人の印鑑証明書
        4. 検認調書または検認済証明書(公正証書遺言以外の場合に必要)
        5. 遺言執行者の選任審判書謄本(遺言執行者が選任されている場合に必要)

        遺言書は無く、遺産分割協議書が有る

        1. 遺産分割協議書(全ての相続人の署名・捺印があるもの)
        2. 被相続人の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書(出生から死亡まで連続したもの)または法定相続情報一覧図
        3. 全ての相続人の戸籍謄本または全部事項証明書または法定相続情報一覧図
        4. 全ての相続人の印鑑証明書

        遺言書も遺産分割協議書も無い

        1. 被相続人の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書(出生から死亡まで連続したもの)または法定相続情報一覧図
        2. 全ての相続人の戸籍謄本または全部事項証明書または法定相続情報一覧図
        3. 全ての相続人の印鑑証明書

        家庭裁判所の調停調書や審判書がある

        1. 家庭裁判所の調停調書謄本または審判書謄本(審判書上確定表示がない場合、審判確定証明書も併せて必要)
        2. 預金を相続する相続人の印鑑証明書

        相続の状況や金融機関によっては、さらなる書類の提出を求められることもあります。


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        • 国民年金死亡一時金

          国民年金死亡一時金

          国民年金死亡一時金と相続税

          厚生年金や国民年金などを受給していた人が死亡したときに遺族に支給される遺族年金は、原則として所得税も相続税も課税されません。

          死亡時に支給されていなかった年金を遺族が請求し支給を受けた場合は、一時所得となり相続税はかかりません。なお、国民年金死亡一時金はこれにはあたりませんので、所得税も相続税もかかりません。

          国民年金の死亡一時金とは

          国民年金に加入していて第1号被保険者として年金保険料を36ヶ月以上納付していた方が、老齢基礎年金・障害基礎年金を一度も受け取らないまま死亡してしまった場合、その方と生計を一にしていた遺族に一時金が支給される制度です。

          国民年金死亡一時金の支給額

          国民年金死亡一時金の支給額は保険料納付期間によって異なり、保険料を納めた月数に応じて120,000円~320,000円。
          付加保険料を36月以上納めてある場合は8,500円が加算されます。

          国民年金死亡一時金を受け取れるもの

          国民年金死亡一時金を受け取れるのは故人と生計を一にしていた遺族。
          遺族が遺族基礎年金や寡婦年金の受給資格がある場合には、遺族が遺族基礎年金や寡婦年金を受け取るか、死亡一時金を受け取るかを選択します。
          両方を受け取ることはできません。

          国民年金死亡一時金受け取り優先順位
          1. 配偶者
          2. 子供
          3. 父母
          4. 祖父母または兄弟姉妹

          請求時の必要書類

          次にあげる書類を住所地の市町村役場に提出します。

          • 請求者の住民票
          • 死亡者の住民票除票
          • 死亡者の戸籍謄本(死亡事項の記載があるもの)
          • 請求者の戸籍抄本もしくは戸籍謄本など死亡者との関係が判るもの又は法定相続情報一覧図の写し
          • 年金手帳
          • 受取先の通帳等
          • 認印

          請求期限

          国民年金死亡一時金の請求は死亡日の翌日から2年以内に行わなければなりません。

          生計を一にする
          日常の生活費を共にすることをいい、仕事をしている人が勤務の都合で家族と別居している、又は、親族が通学や療養などのために別居している場合でも、生活費、学資金又は療養費などを常に送金している場合や、日常の生活を共にしていない親族が余暇には親族のもとで生活を共にしている場合は、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

          相続財産
          相続によって相続人に承継される権利義務の一切のことを「相続財産」といいます。「遺産」と呼ばれることもあります。相続が開始されると被相続人に帰属していた一切の権利義務が相続人にそのまま受け継がれることになります。相続財産は形のある財産に限りません。物に限らず被相続人が有していた契約における地位や「義務」も含まれます。相続において承継される相続財産には、プラスの財産(資産)だけでなくマイナスの財産(負債)もあります。被相続人に借金があれば、その借金を返す義務は相続人に承継されます。


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          • 相続税の税率と節税対策

            相続税の税率と節税対策

            相続税の税率と節税対策
            法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
            1,000万円以下10%
            3,000万円以下15%
            50万円 
            5,000万円以下20%200万円
            1億円以下30%700万円
            2億円以下40%1,700万円
            3億円以下45%2,700万円
            6億円以下50%4,200万円
            6億円超55%7,200万円

            相続税の税率は高い?

            相続税で財産の半分が持っていかれるという話を聞いたことがあるかも知れません。
            この話があてはまるのは限られたごく一部の超資産家だけで、多くの方は異なります。
            相続税の税率は財産の額が増えれば増えるほど増加していくため、財産の総額が高額なほど税率が高くなっています。

            相続税の基礎控除改正の影響

            平成25年度の税制改正の影響で、平成27年1月1日から相続税が増税されて大変になったと言いますが、実際はどうでしょう。
            財産財産の総額が5,000万円、法定相続人が子供3名のケースを想定してみましょう。

            (相続税の税制改正前)
            基礎控除 8,000万円 > 財産 5,000万円 = 相続税は0円

            (相続税の税制改正後)
            基礎控除 4,800万円 < 財産 5,000万円 = 相続税額は約20万円

            税制改正前は基礎控除以下で相続税が関係なかった方でも、税制改正後は相続税がかかってきます。

            相続税の節税対策は相続税額を試算してから!

            相続税の節税対策は多岐に渡ります。相続税を試算して将来発生するであろう相続税額が分かれば、具体的な対策を施せます。想定よりも相続税が少ない場合には、節税対策を無理に行わない方がよいこともあります。


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            • 株式の相続手続き

              株式の相続手続き

              株式の相続手続きについて

              株式を相続した場合、株主名簿に記載された株主名義の変更が必要です。名義変更が済むまで株主の権利はなく、配当金を受け取ることもできません。

              相続財産としての株式の把握

              上場株式と非上場株式とで、相続する際の手続きが異なります。

              上場株式

              上場株式は証券会社、信託銀行その他銀行などの金融商品取引業者等が管理をしています。

              証券会社や信託銀行等から送付された書類を確認し、取引残高報告書や評価証明書を発行するよう請求します。取引残高報告書とは、被相続人がどの会社の株式をどれだけ保有しているのかが記載されている明細書です。取引残高報告書は相続人の一人が請求すれば発行されます。

              手元に有る古い上場株券は信託銀行の「特別口座」で管理されています。株券発行会社に連絡し、窓口となっている信託銀行を確認して、同様の手続きをします。

              非上場株式

              非上場株式は証券会社等が管理をしておらず、株券発行会社に問合せをします。

              中小規模の会社を経営していた人は非上場株式を保有しているケースが多いです。

              株式の遺産分割

              株式は貸付金などの金銭債権と違い、相続開始と同時に法定相続分に応じて相続人へ当然に分割されるものではありません。相続人全員での共有状態となり、遺産分割協議をして相続した人が名義変更をしなければ、売却処分することができません。

              上場株式の評価額は取引残高報告書によって把握することができます。

              非上場株式は複雑な計算が必要ですので、税理士等へ相談しましょう。

              株式の名義書換手続き

              遺産分割協議の結果、株式を相続した相続人は、株券発行会社にその旨を届け出て、名義書換の手続きをします。この手続きは株券発行会社が委託している株主名簿管理人(信託銀行や証券代行会社)の窓口で行います。株券が証券会社の保護預かりとなっている場合(保護預かり口座に入っている)、証券会社から株券を出庫して名義書換をするか、出庫せずに証券会社を通じて名義書換をします。

              上場株式の名義書換は信託銀行や証券会社へ届け出ればよく、株券発行会社への通知は必要ありません。

              非上場株式の場合は株券発行会社へ直接問い合わせます。

              必要な書類

              • 株券(株券が発行されていない場合は不要)
              • 相続による株式名義書換請求書
              • 名義書換をして新しく株主になる人の株主票
              • 共同相続人の同意書または遺産分割協議書
              • 相続人全員の印鑑証明書
              • 相続人全員の戸籍謄本または法定相続情報一覧図
              • 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで連続したもの)または法定相続情報一覧図

              株券を紛失した場合の手続き

              被相続人が保有していた株券が相続開始後に見当たらない(株券を紛失した)場合、「株券喪失登録簿記載事項」を「株券喪失登録簿」への記載または記録を株券発行会社に請求します。
              株券喪失登録簿に登録されると一年後に株券が無効となり、その後に名義書換の請求ができるようになります。


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              • 証券会社の名義変更の手続き

                証券会社の名義変更の手続き

                株式の名義変更手続きの概要

                相続する財産のなかに株式がある場合、不動産と同じように、名義変更をする必要があります。株式の名義変更は、被相続人名義の株式が上場株式か非上場株式かで手続きが異なります。

                上場株式の名義変更手続き

                上場している株式は、取引証券会社と株式を発行している会社の両方で手続きが必要です。
                証券会社は顧客ごとに取引口座を開設していますので、取引口座の名義変更手続きをします。
                株式発行会社の手続きは株主名簿の名義変更ですが、通常、この手続きは証券会社が代行して手配してくれます。相続人は各金融機関所定の「相続人全員の同意書」が必要です。

                非上場株式の名義変更手続き

                非上場会社の株式の名義変更は発行会社によって手続きが異なりますので、発行会社に直接問い合わせましょう。

                上場株式の名義変更手続きの手順

                被相続人の取引店や口座番号の照会

                「遺産を整理していて証券会社の報告書が見つかった」、「証券会社に口座があるらしいが取引店や口座番号が不明」といった場合、金融機関に照会することからはじめます。

                被相続人の取引店の照会は、金融機関所定の用紙と必要書類を送付します。金融機関で口座を調べて回答してくれます。

                必要書類の一例
                1. 被相続人の死亡が確認できる書類
                  戸籍謄本、住民票除票の写し、または法定相続情報一覧図
                2. 相続人との関係が確認できる書類
                  戸籍謄本、または法定相続情報一覧図
                  (代理人が照会する場合は、相続人の実印押印済みの委任状、相続人の印鑑証明書等が必要)
                3. 本人確認書類
                  相続人(依頼人)の本人確認書類の原本またはコピー

                取引残高報告書やカードが有る場合は、取引店・口座番号が記載されていることが多いので確認しましょう。

                取引店に連絡して資料を取り寄せる

                被相続人の口座のある金融機関の取引店へ連絡し、取引内容や相続の方法等を伝えると、 手続きの流れや必要書類、相続手続依頼書の記入例、法定相続人順位、必要な戸籍謄本など、手続きに必要な情報を記載した資料が送られてきます。

                必要書類のチェック

                実際の相続は状況ごとに異なるため、追加や変更がある場合があります。

                1. 金融機関所定の相続手続依頼書
                2. 戸籍謄本または法定相続情報一覧図
                3. 相続人全員の印鑑証明書

                遺産分割協議書がある場合

                1. 遺産分割協議書の写し

                遺言書がある場合

                1. 遺言書の写し
                2. 検認調書の写しまたは検認済み証明書の写し
                3. 遺言執行者選任審判書の写し
                4. 遺言執行者の印鑑証明

                証券会社へ提出

                必要書類等の準備ができたら、郵送するか取引店まで直接届けます。
                被相続人の残高証明書および特定口座の取引明細を確認する場合は「残高証明書等作成依頼書」もあわせて提出します。

                手続きの完了

                金融機関で書類の確認が済むと振替が実行されます。
                手続きが完了すると「手続きが完了した旨の通知」や「お預り明細のお知らせ」が届きます。

                手続きにかかる期間は、それぞれのケースによって異なります。


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                • 相次相続控除

                  相次相続控除

                  遺贈を受けた財産について、相次相続控除を受けるためには、受遺者が相続人(法定相続人)でなければならない(1)。相続人とは民法に規定する相続権を有する者をいうから、相続を放棄した者や廃除等により相続権を失った者は相続人ではないので、これらの者が遺贈を受けた場合に相次相続控除は適用できない。相続人でない受遺者にも適用はない。

                  (1)民法や判決文で「相続人」といえば、法定相続人を指す。

                  相次相続控除の規定では、最初に相続税が課税された相続を第一次相続と呼ぶ。第一次相続により相続財産を取得した相続人が第一次相続開始後10年以内に亡くなった場合(2)の相続を第二次相続と呼ぶ。祖父Xが亡くなり、Xの遺産を相続した息子Aが亡くなり、Aの遺産を相続した孫Bが亡くなったときに、Bの相続税の申告において考慮する相次相続控除税額はAの死亡によりBが負担した相続税である。Aの相続が第一次相続、Bの相続が第二次相続である。Aの相続税の申告においてAが負担したXの相続税は相次相続控除の対象とはならない。

                  (2)正確には、第二次相続に係る被相続人がその相続の開始前10年以内に開始した相続(被相続人からの遺贈を含む。)を第一次相続と呼ぶ。

                  図表Ⅲ-6 相次相続控除概要図

                  相次相続控除概要図

                  Bを被相続人とする相次相続控除は、第一次相続でBが負担した相続税が対象となる。

                  (注)AはXの相続人であり、BはAの相続人である場合に、相次相続控除の適用がある。A又はBが各被相続人の相続人ではなく、単なる受遺者である場合には、相次相続控除の適用はないのであるから注意する。

                  ■未成年者控除・障害者控除は

                  未成年者や障害者は相続を放棄しても、遺贈や死亡保険金を受領したときには、未成年者控除、障害者控除の適用を受けることができる。未成年者控除や障害者控除は、放棄がなかったものとした場合の相続人に適用される。これは、未成年者控除や障害者控除は、財産を取得する人に注目した規定だからである。これに対し、相次相続控除は、ほぼ同一の遺産が一族の間で相次いで相続され、10年という比較的短期間に二度課税されるという不合理な負担を軽減しようとする規定なので、適用対象者を民法上の相続人に限定している。たまたま、被相続人の行為により相続人ではないのに遺産を受けた受遺者には適用がない。

                • 配当金は相続財産で相続税の対象?

                  配当金は相続財産で相続税の対象?

                  配当金は相続財産で相続税の対象?

                  配当金は相続財産として相続税の対象となるか。

                  配当金を相続財産に計上するかどうかは、相続開始日、配当基準日、配当確定日及び受取日によって決まります。

                  相続開始日が配当基準日の翌日から配当確定日の間であれば、配当期待権として申告が必要。

                  配当期待権=予想配当の金額ー源泉徴収されるべき所得税等の額に相当する金額

                  相続開始日が配当確定日の翌日から配当金を受け取るまでの間あれば、配当金を受ける権利を有していることから、未収配当金として申告が必要。

                  未収配当金=確定した配当金の金額ー 源泉徴収されるべき所得税等の額に相当する金額

                  相続開始日が配当金受け取り後であれば、配当金としては申告不要。受取配当金が費消せず残っていれば、現金預貯金として申告する。

                  配当金は相続財産で相続税の対象?

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                  • 特別の法人から受ける利益に対する贈与課税

                    特別の法人から受ける利益に対する贈与課税

                    特別の法人から受ける利益に対する贈与課税

                    POINT

                    1. 持分の定めのない法人を利用して、特定の個人に利益を供与することは可能である。特定の個人とは、持分の定めのない法人の関係者(設立者、社員、理事、監事、評議員など)又は持分の定めのない法人に贈与した者及びそれらの者の親族や特別の関係があるものである。関係者や贈与者と無関係のものは含まれない。このように特定の贈与を原因として持分の定めのない法人から特別の利益を得ている者は、財産を贈与した者から贈与により取得したものとみなして贈与税を課税する(相法65①)。
                    2. 持分の定めのない法人に対し贈与し、その贈与により贈与者の親族その他特別の関係がある者の贈与税の負担が不当に減少する結果と認められるときは、持分の定めのない法人を個人とみなして持分の定めのない法人に贈与税を課税する(相法66④)。
                    3. 後者の規定が適用される場合、前者の規定は適用されない(相法65①)。

                    資産家Xが持分の定めのない法人にマンションを贈与又は遺贈し、贈与者の友人である法人の理事Aが、受贈したマンションを理事宅として私的に利用している場合、理事Aはマンションの家賃に相当する経済的利益の額を贈与者又は遺贈者から贈与又は遺贈されたものとして贈与税又は相続税が課税される(相法65)。

                    理事Aが資産家Xの親族や事実上婚姻関係と同様の事情にある者である場合には、持分の定めのない法人は個人とみなされ贈与税又は相続税の納税義務者となる(相法66④)。

                    前者が一般規定、後者が特別規定である。

                    形式的には個人が法人に対して贈与又は遺贈を行った場合でも、その法人が特定の個人に特別の利益を与えるような法人であれば、実質的には(法人を通じ)その特定の個人に贈与又は遺贈がなされたと同視することができる。それにもかかわらず贈与税や相続税の課税が一切行われないと著しく課税の公平を損なうおそれがある。

                    個人が営利法人に贈与を行った場合には、営利法人は贈与を受けた財産の時価で受贈益を計上し法人税等を納税する。さらに、営利法人が特定の個人に利益を供与した場合には、利益を受けた個人に対し、(法人との関係に応じ)一時所得、認定賞与、給与等の課税が行われる。法人に対する贈与の結果、法人の株価が上昇すると贈与者から株主に対する贈与課税が行われる。

                    問題は持分の定めのない法人である。持分の定めのない法人は、持分を持つものがいないので、いわば「誰のものでもない法人」である。持分の定めのない法人の設立者や出資者は出資持分を取得していないので出資者として法人に対し影響力を行使することができない。しかしながら、設立者や出資者などは自ら理事や監事などの役員となり、管理運営上、法人を私的に支配し利益のために利用することは不可能ではない。資産家が持分の定めのない法人にマンションを贈与又は遺贈し、贈与者の子どもや友人である法人の理事が、受贈したマンションを理事宅として私的に利用することなどが可能である。このように特定の利益(粉場合はマンションの家賃に相当する額)を贈与者又は遺贈者から贈与又は遺贈されたのものとして贈与税又は相続税の納税義務を負わせることが合理的である。このことを規定したのが相続税法65条である。

                    相続税法65条は、個人が持分の定めのない法人のうち、その施設の利用、余裕金の運用、解散した場合における財産の帰属等について①設立者、②社員、③理事、④監事若しくは⑤評議員、⑥その法人に対し贈与若しくは遺贈をしたものなど(注1)に特別の利益を与えるものに対して財産の贈与又は遺贈を行った場合に、相続税法66条4項の規定の運用がある場合を除くほか(注2)、その財産の贈与又は遺贈があったときにおいて、その法人から特別の利益を受ける者が、その財産(注3)の贈与又は遺贈により受ける利益の価額に相当する金額をその財産を贈与又は遺贈した者から贈与又は遺贈により取得したものとみなして相続税又は贈与税を課税することと規定している(相法65)。

                    (注1)特別の利益を与える対象者は、①~⑥の親族その他①~⑥と特別の関係がある者を含む。特別の関係がある者とは、個人と婚姻届は出していないが事実上婚姻関係等同様の事情にある者及びその者の親族で生計を一にしている者(内縁の妻又は夫とその同居の親族)や、個人の使用人及び使用人以外の者でその個人から受ける金銭その他の財産によって生計を維持しているもの並びにこれらの者の親族でこれらの者と生計を一にしているものをいう。

                    (注2)贈与者の親族・特殊関係者に対し特別の利益を与える場合には、66条4項の「不当減少」要件に該当する場合がある。贈与者の親族・特殊関係者以外の者(法人の設立者、社員、理事、監事、評議員、これらのもに準ずる者)に対し特別の利益を与える場合は66条4項の規定の適用はないが、特別の利益を受けるものに対して65条の規定が適用される(昭和39直審(資)24「19」)。

                    (注3)公益事業用相続税非課税財産(相法12①三)及び公益事業用贈与税非課税財産(相法21の33①三)をの除く。ただし、これらの非課税財産は、取得した公益事業を営む持分の定めのない法人が取得の日から2年以内に公益のように供しなかった場合には、本条の対象として取り込むこととなる(相法65②)。

                    贈与により受ける利益の価額とは、贈与等によって法人が取得した財産の価額によるのではなく、法人に対する財産の贈与に関して法人から特別の利益を受けたと認められる者が法人から受けた特別の利益の実態により評価する(昭和39年直審(資)24「20」)。

                    さらに相続税法66条4項は、持分の定めのない法人に贈与があった場合に「贈与者等の親族その他これらの者と特別の関係がある者の贈与税、相続税の負担が不当に減少する結果となると認められるとき」は、持分の定めのない法人を個人とみなして贈与税を課税することとしている(相法66④⑥、相令31①)。不当に減少する結果となると認められるときとは、相続税法施行令33条3項の適正要件を欠くときであり、「贈与者・遺贈者又はその同族関係者が持分の定めのない法人に提供又は贈与された財産を私的に支配し、その使用、収益を事実上享受し、あるいはその財産が最終的にこれらの者に帰属するような状況にあるときをいう(昭和49.9.30東京地裁、税資76号906項、相令33、昭和39直審(資)24)」とされている。持分の定めのない法人を個人とみなして贈与税を課税する66条と持分の定めのない法人を通じて得た利益を課税対象とする65条は、「法人から利益を享受する」という要件において重複するので65条は適用条件に「66条の規定の適用がある場合を除くほか」と規定している。

                    65条は贈与者・遺贈者の県警者だけでなく、設立者や理事等の役員、理事や役員の親族なども対象に入れて法人から受ける利益(法人を利用し、贈与者・遺贈者からの間接的に受ける利益)に対し贈与又は遺贈を受けたものとして課税する。これと異なり、66条は贈与者の親族・特殊関係者に対し特別の利益を与えるにとどまらず、持分の定めのない法人に提供された財産を私的に支配するなどして贈与税・相続制の負担が不当に減少する結果となる場合には、持分の定めのない法人を個人とみなして贈与税又は相続税を課税するとし、課税方法も異なるが、課税要件として利益を受ける者の範囲が贈与者・遺贈者の親族等に限定されている。65条が一般規定、66条は特別規定ということができる。

                    相続税法65条と66条3項との関係
                    図表Ⅰ-8 相続税法65条と66条3項との関係
                    持分の定めのない法人から受ける利益に対する贈与税概要図(相法65①、相令32)
                    図表Ⅰ-9 持分の定めのない法人から受ける利益に対する贈与税概要図(相法65①、相令32)

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