相続税の申告や不動産の移転登記(相続登記)の手続きは比較的意識されやすく、故人を悼む時間が過ぎた後、多くの方が速やかに行われる傾向がありますが、運転免許証の返還手続きは忘れがちです。
運転免許証も相続開始後に返納の手続きを取る必要があります。
運転免許証は公道における自動車の運転という特別な行為が許されたことを公的に証明するものです。運転免許は死亡によって効力が失効します。速やかに警察署に返納しましょう。
免許証返納の手続きは、下記の書類を持って最寄りの警察署へ行き、返納手続きをします。
- 故人の運転免許証
- 故人の死亡診断書
- 戸籍謄本(故人の死亡後に取得したものであることが必要です。故人の死亡の事実が記載されている戸籍をご用意ください)
- 手続きをされる方の身分証明書(運転免許証や保険証など)
- 印鑑(認印)
運転免許証の返納の手続きを終えると、免許証が無効であることの証明をした上で申請人に返してくれる場合があります。大切な方の形見として、無効とされた免許証を保管しておくのも良いでしょう。
ただし、運転免許証は身分証明書として利用されることが多く、無効となった運転免許証でも悪用される可能性は否定できません。ご位牌などと一緒にするなどして厳重に保管することが大切です。
運転免許証返納以外の様々な手続き
運転免許証の返納以外にも、被相続人の死亡により様々な公的手続きが必要となります。
生命保険の保険金受け取り手続き、老齢年金を受給されていた場合には年金受給手続き、介護保険の資格喪失手続き、住民票の抹消手続き、世帯主変更届などです。
故人が許認可事業の事業主であれば、許可の取り消しや承継手続きが必要となります。
自筆の遺言があれば、家庭裁判所での検認手続き、相続人間での遺産分割協議が必要となります。