特定居住用宅地等の見直し

平成30年度税制改正により、平成30年4月1日以降の相続等から、小規模宅地等の特定居住用宅地等の要件のうち、自己又は自己の配偶者の所有する家屋に居住したことがない親族の要件が、その親族(被相続人の居住の用に供されていた宅地等を取得した一定の者に限ります。)が次に掲げる要件の全てを満たすこと(被相続人の配偶者又は被相続人と同居していた民法第5編第2章の規定による相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人)がいない場合に限ります。)に見直されました。

  1. 相続開始前3年以内に日本国内にあるその親族(被相続人の居住の用に供されていた宅地等を取得した一定の者に限ります。)、その親族の配偶者、その親族の三親等内の親族又はその親族と特別の関係がある法人が所有する家屋に居住したことがないこと
  2. その被相続人の相続開始時にその親族(被相続人の居住の用に供されていた宅地等を取得した一定の者に限ります。)が居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有していたことがないこと
  3. 相続開始時から申告期限まで引き続きその宅地等を有していること

これは、既に自己の名義の家屋を持っている相続人が、その家屋を譲渡や贈与により自己又はその配偶者以外の名義に変更し、居住関係は変わらないまま、持ち家がない状況を作出して被相続人が居住の用に供していた宅地等について本特例を適用する、また、自らは家屋を所有しない孫に対して被相続人が居住の用に供していた宅地等を遺贈することにより本特例を適用するような状況に対応するために見直されたものです。

経過措置

平成30年3月31日に相続又は遺贈があったものとした場合に、改正前の特定居住用宅地等の要件のうち、自己又は自己の配偶者の所有する家屋に居住したことがない親族の要件を満たす特例対象宅地等に該当することとなる宅地等(以下「経過措置対象宅地等」といいます。)がある場合について、以下の特例が適用されます。

  1. 平成30年4月1日から平成32年3月31日までの間に相続又は遺贈により取得をする財産のうちに経過措置対象宅地等がある場合は、改正前の特例を適用することができます。
  2. 平成32年4月1日以後に相続又は遺贈により取得をする財産のうちに経過措置対象宅地等がある場合において、平成32年3月31日においてその経過措置対象宅地等の上に存する建物の工事が行われており、かつ、その工事の完了前にその相続又は遺贈があったときは、その相続又は遺贈に係る相続税の申告期限までにその経過措置対象宅地等を取得した個人がその建物を自己の居住の用に供することを条件に、その経過措置対象宅地等は、被相続人の居住の用に供されていたものとして、特例を適用することができます。

小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)の概要

小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)は、被相続人若しくは被相続人と生計を一にする親族が相続開始前から居住している建物の敷地の課税価格を330㎡まで80%減額する規定です。この特例の適用を受けるためには、少なくとも配偶者又は被相続人と同居していた親族若しくは一定の要件を満たす親族が被相続人等の居住していた建物の敷地を相続又は遺贈により取得することが必要です。一定の要件を満たす親族には、自己又は自己の配偶者の所有する家屋に居住したことがない親族がいます。


自己又は自己の配偶者の所有する家屋に居住したことがない親族の要件

改正前の小規模宅地等の特定居住用宅地等の要件のうち、自己又は自己の配偶者の所有する家屋に居住したことがない親族の要件は、次に掲げる要件の全てを満たす必要があります。

  1. その親族(被相続人の居住の用に供されていた宅地等を取得した者に限ります。)が相続開始前3年以内に国内にあるその者又はその者の配偶者の所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがない者であること
  2. 相続開始の時から申告期限まで引き続きその宅地等を所有していること(被相続人の配偶者又は民法第5編第2章の規定による同居の相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人)がいない場合に限ります。)

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