不動産などを共有していて、共有者の一人が相続人のいない状態で死亡した場合、その所有権はいくつかの段階を経て決まります。
相続財産管理人選任申立
利害関係者・検察官などが相続財産管理人の選任を家庭裁判所に申し立てます。
この申立を受けると裁判所は相続財産管理人が選任されたことを二カ月間公告し、相続人が名乗り出るのを待ちます。
債権者や受遺者に向け公告
前記公告期間に誰も名乗り出ないと、今度は債権者や受遺者に対して請求するよう二カ月間公告します。
相続権の主張催告
前記公告期間を過ぎても相続人が名乗り出なかった場合には、相続管理人や検察の請求によって、六カ月以上の期間を決めて「相続権の主張」を催告します。
相続人不存在確定
前記公告期間に相続人が現れなかった場合に「相続人不存在」が確定します。
特別縁故者からの申し立て
相続人不存在が確定してから三カ月間、「特別縁故者」からの申し立てを受け付けます。
特別縁故者とは、内縁の妻や療養看護を行った知人・親戚などです。
これらの者に財産分与が行われてもなお残余財産が有り、その中に被相続人との共有財産が有れば、民法第255条「共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がいないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。」に従って、共有者のものとなります。