奥行長大補正率と不整形地補正率は同時に適用できる?
奥行長大地と不整形地とは間口距離とのバランスの違いによる区別と考えられ、重複適用はできません。
奥行長大地と不整形地とは、間口距離とのバランスが悪いという点では同じです。
従って、奥行長大補正率と不整形地補正率は、重複して適用することはできません。
不整形地の評価計算では、
- 不整形地補正率表の補正率×間口狭小補正率
- 奥行長大補正率×間口狭小補正率
のうちいずれか低い率を不整形地補正率とし、その限度を0.6としていることに注意が必要です。
ところで、港は海に面し、海は世界に通じています。良港に恵まれた町が交易で栄えるように、土地は道路に接面することでその地域に通じ、様々な地域の恩恵を受け、その価値を形成します。それと同じように道路との接面状況すなわち間口距離は、土地価格を決定する上で重要な要因です。その間口の重要性を有効に生かせるのは、間口距離とのバランスのとれた土地の形状です。
【図26】は間口距離が同じ二つの土地ですが、間口とのバランスがとれていない点が共通しています。一つは奥行が長大な土地で、もう一つは不整形な土地です。奥行長大補正率と不整形地補正率は重複して適用することができないのは、この二つの補正率が兄弟のような関係にあることを表しています。