二方路線影響加算率はどんな場合も同じ率?
二方路線加算率の算定の基礎は二方路線に面した典型的な土地を念頭に置いて考えましょう。
二方路線影響加算率は、次のような典型的な二方路線に面した土地を前提として決められているという理解があれば、それ以外のケースで同じ率を使うのは合理的でなく、その加算率を調整する必要があります。
二方路線に面した典型的な土地
【図17】二方路線に面した典型的な土地
【表5】二方路線影響加算率表
地区区分 | 加算率 |
---|---|
ビル街地区 | 0.03 |
高度商業地区 繁華街地区 | 0.07 |
普通商業・併用住宅地区 | 0.05 |
普通住宅地区 中小工場地区 大工場地区 | 0.02 |
二方路線の一部が道路に接していない場合
【図18】二方路線の一部が道路に接していない場合
二方路線影響加算額の算出
185,000円(側方路線価)×1.0(奥行距離15mに対応する奥行価格補正率)×0.03(二方路線影響加算率)×15m÷(15m(二方路線との接面距離)+5m(二方路線との非接面距離))=4,162円
現実に角地としての効用を有しない場合
【図19】現実に角地としての効用を有しない場合
甲土地の二方路線影響加算額の算出
185,000円(側方線価)×0.92(奥行距離40mに対応する奥行価格補正率)×0.03(二方路線影響加算率)×15m÷(15m(側方路線との接面距離)+15m(側方路線との非接面距離))=2,553円
奥行各区補正後の価額は差引計算により評価する方法で算出することができます。
(計算例)
想定整形地(この場合、甲土地と乙土地を合わせたもの)の評価額
250,000円×0.98(奥行距離30mに対応する奥行価格補正率)=245,00円
245,000円×1,200㎡(甲乙土地の合計面積)=294,000,000円
乙土地の評価額
250,000円×1.0(奥行距離15mに対応する奥行価格補正率)=250,000円
250,000円×300㎡(乙土地の面積)=75,000,000円
(注)想定整形地及び乙土地は角地ですが、奥行価格補正の段階では角地加算は行いません。
甲土地の奥行価格補正後の価額
(294,000,000円(甲土地と乙土地を合わせた土地の評価額)-75,000000円(乙土地の評価額))÷(1,200㎡-300㎡)=243,333円
甲土地の1㎡当たりの単価
243,333円(甲の奥行価格補正後の価額)+2,553円(二方路線影響加算額)=245,886円