不整形地とは、どのような土地に対しての不整形?
不整形地は、その土地を含む整形地(想定整形地)を念頭に置いて考えましょう。
造成宅地は別として、既成宅地は不整形な土地が多いので、不整形地の評価をよく理解しておく必要があります。
不整形地とは、その長方形の一辺が道路と最大限接するように位置する想定整形地と比較して用います。
不整形地補正率は、評価対象土地の地区区分、地積、及びかげ地割合によって減額割合が定められています。
【表8】地積区分表
地区区分 | 地積区分A | 地積区分B | 地積区分C |
---|---|---|---|
高度商業地区 | 1,000未満 | 1,000以上1,500未満 | 1,500以上 |
繁華街地区 | 450未満 | 450以上700未満 | 700以上 |
普通商業・併用住宅地区 | 650未満 | 650以上1,000未満 | 1,000以上 |
普通住宅地区 | 500未満 | 500以上750未満 | 750以上 |
中小工場地区 | 3,500未満 | 3,500以上5,000未満 | 5,000以上 |
【表9】不整形地補正率表
かげ地割合 | 地区区分 | |||||
高度商業地区、普通商業・併用住宅地区、繁華街地区、中小工場地区 | 普通住宅地区 | |||||
地積区分 | 地積区分 | |||||
A | B | C | A | B | C | |
10%以上 | 0.99 | 0.99 | 1.00 | 0.98 | 0.99 | 0.99 |
15%以上 | 0.98 | 0.99 | 0.99 | 0.96 | 0.98 | 0.99 |
20%以上 | 0.97 | 0.98 | 0.99 | 0.94 | 0.97 | 0.98 |
25%以上 | 0.96 | 0.98 | 0.99 | 0.92 | 0.95 | 0.97 |
30%以上 | 0.94 | 0.97 | 0.98 | 0.90 | 0.93 | 0.96 |
35%以上 | 0.92 | 0.95 | 0.98 | 0.88 | 0.91 | 0.94 |
40%以上 | 0.90 | 0.93 | 0.97 | 0.85 | 0.88 | 0.92 |
45%以上 | 0.87 | 0.91 | 0.95 | 0.82 | 0.85 | 0.90 |
50%以上 | 0.84 | 0.89 | 0.93 | 0.79 | 0.82 | 0.87 |
55%以上 | 0.80 | 0.87 | 0.90 | 0.75 | 0.78 | 0.83 |
60%以上 | 0.76 | 0.84 | 0.86 | 0.70 | 0.73 | 0.78 |
65%以上 | 0.70 | 0.75 | 0.80 | 0.60 | 0.65 | 0.70 |
なお、大工場地区にある不整形地については、原則として不整形地補正は行いませんが、地積が概ね9,000㎡程度までのものについては、【表8】の「地積区分表」及び【表9】の「中小工場地区」の区分により、不整形地としての補正を行ってもよいとされています。
かげ地割合の求め方
かげ地割合とは、想定整形地に占める評価対象土地をはみ出した面積の割合であり、不整形の程度を表します。
【図27】かげ地割合の求め方
想定整形地の取り方
想定整形地の取り方を理解するためには、評価手法の基本について知る必要があります。
一般的に、評価対象土地の評価は、標準的土地との比較によって減算加算しますが、直接比較できない場合は、比較可能な土地に一旦置き直して評価する手法がとられます。従って、規範力のある標準土地と比較可能な想定整形地をどのようにとるかを考えれば、応用力も身についてきます。
【図28】想定整形地の取り方
想定整形地の具体例
※下記の⑬から⑮までは、左の例(○)が相当、右の例(×)は不相当。